無期懲役から仮釈放されるのは何年後?その後の人生はどうなる?

無期懲役から仮釈放されるのは何年後?その後の人生はどうなる?

5、無期懲役は事実上の終身刑?重大な犯罪を犯したら弁護士のサポートが重要

無期懲役には仮釈放の可能性があるとはいえ、最低でも30年は服役しなければなりません。しかも、30年そこそこで仮釈放される確率は0.5%程度に過ぎず、獄中死する人の方が多いということも忘れてはなりません。

そうすると、一般的な感覚でいえば、無期懲役は事実上の終身刑に該当するといっても過言ではありません。

そのため、もし、ご家族や身近な方が重大犯罪を犯してしまった場合には、無期懲役となるか、長期であっても刑期が限られた有期懲役となるかは極めて重要な問題となります。

事件の内容からして無期懲役になりそうな場合でも、被害者や遺族との示談交渉、本人の反省状況、改善更生を図るための家族のサポート体制、さらには犯行状況や動機の説明内容などによっては、無期懲役を回避できる可能性もあります。

刑事裁判だけでなく、捜査段階から刑事弁護の経験が豊富な弁護士のサポートを受け、適切に対応することによって、有期懲役の判決を獲得できる可能性が高まるはずです。

万が一、ご家族や身近な方が重大犯罪で逮捕されてしまったときには、すぐ弁護士に相談されることをおすすめします。

無期懲役 仮釈放に関するQ&A

 Q1.無期懲役とは

無期懲役とは、被告人(受刑者)を無期限で刑務所などの刑事施設に拘置し、「所定の作業」をさせる刑罰のことです。

なお、無期限で刑務所などに拘置され「所定の作業」が課せられないものを無期禁錮といい、現行法上、有期の場合も同様に区別されていますが、令和4年の改正により、「懲役刑」と「禁錮刑」が廃止され、「拘禁刑」という名称に変更されて刑務作業の義務がなくなります。詳しくは、こちらをご覧ください。

それに対して、「懲役○年」というように刑期を定めて言い渡される懲役刑のことを有期懲役といいます。

有期懲役の場合、定められた刑期が満了すると釈放され、受刑者は確実に社会に復帰します。

しかし、無期懲役を言い渡された人は一生涯、懲役刑の受刑者のままです。無期限の懲役刑なので、死亡するまで刑期が満了することはありません。

Q2.仮釈放とは

懲役刑の判決が確定すると、原則として受刑者は刑期が満了するまで刑事施設に収容されます。しかし、一定の要件を満たす受刑者については、刑期が満了する前に仮に釈放して社会復帰の機会が与えられます。この制度のことを仮釈放といいます。

刑期が残っているので正式な「釈放」ではありませんが、保護観察に付され、一定の遵守事項を守ることを条件として、仮に社会内で生活することが認められるため、「仮釈放」と称されているのです。

仮釈放制度の趣旨は、受刑者の更生を促進することにあります。受刑者もやがて社会に復帰する以上、早い段階で社会に戻し、社会内で更生させることが望ましいといえます。

無期懲役の受刑者についても、仮釈放が認められています。

Q3.仮釈放が認められる確率

法務省からの発表によれば、2021年に仮釈放が許可された無期懲役の受刑者数は9人で、同年末には1,725人が無期懲役刑で在所していたとのことです。

この数値で計算すると、1年間に無期懲役からの仮釈放が許可される人の割合は、わずか0.5%程度となります。

無期懲役で仮釈放が認められる確率は、極めて低いのが実情です。

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