「そもそも今って、『公園デビュー』という言葉が先行しすぎていると私は思うんです。
たしかに公園デビュー的な行為自体は、昔からあったのかもしれないけど、昔のママたちに“デビュー”という意識はなかったんじゃないのかな? ところが、この言葉ができてしまった時点で、『デビュー日は何月何日の何時から』みたいなことまで考えちゃうようになったわけじゃないですか。本来、公園とは『今日はお天気もいいから、子どもを連れて散歩でも行こっか』といった感じで気軽に行くものなんです。もう一度、子どもと一緒に公園へ行くことの目的を考え直してみませんか? そして、『公園デビューなんかできなくてもいい!』『人見知りでもかまわない!』と、まず自分に言い聞かせてみてください」
対人心理カウンセラーである羽林由鶴さんは、“人見知りを無理に克服することの不必要さ”をこうきっぱりと主張します。とは言え、公園以外でも幼稚園・保育園でのママ同士の雑談やPTAの会合などなど、他のママさんたちとのコミュニケートが避けられない場合も。そんなときはどうすればよいのでしょう?
「とりあえず、挨拶だけはちゃんとすること。とっかかりは軽い会釈でも充分。そして次のステップは、目を合わせて『おはようございます』。さらには『今日は暑いですね』。いきなりフレンドリーに振る舞おうと気がまえるから妙なプレッシャーを感じちゃう。最初から目標を高く持たないのがポイントです。
あと、目線の位置は“アナタの子ども”で大丈夫。そうすれば絶対に『なんなの?』と思われない。相手のママさんをチラチラ見るのはマナー違反。だから、まず相手のほうを見て『よろしく』と挨拶してから、あとはもう、すぐ横にいようが遠くにいようが自分の子どもだけを見ていればいい。そこで、一方的にしゃべり続けるママさんの場合は、『そうなんですか』『へえー』などと相づちを打つときだけ相手に視線を移す。たとえ、相手もあまりしゃべらないママさんで、沈黙が気まずくなったとしても気にしちゃダメ。そういうときは、別にしゃべらなくてかまわないの。相手が黙っているんだから『黙りたいんでしょ』ってことにしちゃって、アナタも黙っておけばいい。どうしても辛ければ、アナタの子どもに『あれ? ○○ちゃん、おしっこ?』とでも話しかけて、『すみません。ちょっとトイレに行ってきます』って逃げちゃう。どんな意地悪なママさんだって、それを止めたりはさすがにしないから(笑)。むしろ、子どもがいるから、ママ同士二人っきりで話すより全然楽だとリラックスしてください」