梅雨の豪雨は怖い!梅雨のメカニズムと豪雨に備えるポイント

写真:PIXTA

梅雨は、豪雨災害が起こりやすい時期です。毎年のように集中豪雨をもたらし、河川の氾濫や浸水、土砂災害などを引き起こしています。

また梅雨の豪雨はほかの時期の豪雨に比べて予想が難しく、長期化しやすいのも特徴です。梅雨の豪雨には、ほかの豪雨と違った怖さがあります。

これからの梅雨シーズンに備えるためにも、梅雨のメカニズムや豪雨の特徴などを覚えておきましょう。

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梅雨のメカニズム

気象庁は、梅雨について「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる期間」と定義しています。

引用:気象庁「雨・雪について」

梅雨の時期に雨や曇りの日が多くなるのは、「梅雨前線」と呼ばれる前線の停滞が原因です。梅雨前線は夏の空気と春の空気がぶつかる境界線で、前線付近で雨雲が発達して雨が多く降ります。


引用:気象庁「天気図」(2022年6月20日9時のデータ)

梅雨の時期になると上の天気図のように、日本付近には梅雨前線が停滞するようになります。梅雨前線の形を見ると、縦に狭く横に長いのが特徴です。そのため、日本付近に梅雨前線が停滞すると広い範囲で曇りや雨の日が続きます。

例年、梅雨入りの時期は、沖縄地方・奄美地方が5月~6月、本州が6月~7月ごろです。

梅雨の期間は、1カ月半ほど続きます。

下の表は梅雨入りと梅雨明けの日付について、2022年と平年とをまとめたものです。


出典:気象庁「夏(6~8 月)の天候」をもとに筆者作成

ちなみに、気象庁が発表する梅雨入りや梅雨明けには速報値と確定値があります。速報値と確定値があるのは、「梅雨入りしたのに晴れが続く」「梅雨明けしたのに雨が続く」など、梅雨入り・梅雨明けが速報値通りではない場合があるためです。

確定値は9月ごろに気象庁が発表します。

令和4年度は梅雨明けの速報値が6月下旬となっていますが、確定値では7月下旬に修正されています。これは6月下旬に梅雨前線が北上して晴れ間が増えたものの、7月の下旬に再び梅雨前線が南下して梅雨空が戻ったためです。

このように梅雨入りや梅雨明けのタイミングは年によって大きく変わる場合があります。

梅雨の豪雨がもたらした過去の災害

下の表は、近年の梅雨の豪雨災害による事例をまとめています(期間:2016〜2021年)。

梅雨の時期にはほぼ毎年のように、死者が出る豪雨災害が発生しています。

期間やエリアを見てもわかるように、梅雨の豪雨災害は長期間・広範囲にわたるのが特徴です。

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