●働くママは、子どもと過ごせる時間の質をよりよい時間にしよう!
「幼児期は人間の土台を作る大事な時期です。この時期は、子どもが“自分は愛されている”という実感が持てるようにしてあげることが大切です。でも、それは必ずしも母親がずっと一緒につきっきりで過ごすということとイコールではありません。母親と一緒に過ごす時間が長くても、それが愛情を実感できる時間でなければ意味がありません」
そう話すのは、教育評論家の親野智可等先生。例えば、仕事をしたかった母親が子育てのために仕事をあきらめてずっと一緒にいる選択をし、結果的にそのストレスを常に子どもにぶつけてイライラしてしまっていたら、むしろそれは逆効果だという。
「働くお母さんが子どもと一緒に居る時間は、子どもが愛情を実感できる時間にしてあげて欲しいと思います。適度に離れる時間があるからこそ、愛情が深まって愛せるということもありますから。もし、子どもが“ママはいつも忙しそうで私と一緒には居てくれない。私より仕事が大切なんだ。たまに一緒に居てくれるときはイライラして叱ってばかり”と感じているとしたら、親の愛情を実感することなどできません。ですから、働くママは特に、一緒に過ごせる時間の質をよくすることが大切です」(親野先生 以下同)
●働くママは、過度に忙しくなりすぎてイライラが子どもに向かってしまわないように要注意!
では、一緒に過ごす時間の質をよくすることとは?
「ついついお母さんは一緒に居ると“しつけ主義”に走ってしまい、○○しちゃダメでしょ! ○○しなさい! と、叱ったり咎めたり小言ばかり言ってしまいがちです。それを一生懸命やってもいいことはひとつもありません。お子さんが自分や他者に対して不信感を募らせるだけです。せっかくお子さんがお母さんの愛情を感じられる貴重な時間なのですから、そういうことは極力やめて、スキンシップをしたり、声かけをしてやったり、子どもの言うことに精いっぱい対応して、愛情を子どもが実感できるようにしてやってください」
そして、働くママにありがちな次のことには気をつけて欲しいという。
「仕事が過度に忙しすぎてしまうと、お母さんに余裕がなくなってしまい、そのストレスから家に帰ってきて子どもにあたってしまったり、叱ってばかりということにもなりかねません。これにはくれぐれも気をつけてくださいね!」
子育てに専念するママ、仕事をするママ、どちらが正解ではなく、正解は、子どもが愛情をたっぷり感じ、安心して大事なこの幼児期を過ごせるかどうかということのようです。
(構成・文/横田裕美子)