【映画とごはん】『ウィ、シェフ!』に登場する前菜「ビーツのパイプオルガン」

【映画とごはん】『ウィ、シェフ!』に登場する前菜「ビーツのパイプオルガン」

魅力的なストーリーはもちろん、おいしそうなごはんにも注目して観たい映画を紹介する連載企画がスタート。記念すべき第 1 回は、一流レストランの元シェフ・カティが、強制送還寸前の移民の少年たちに調理を教えるフランス映画『ウィ、シェフ!』。カティの得意料理「ビーツのパイプオルガン」は、シンプルながらもこだわりが光る逸品です!

新しい「映画とごはん」企画がスタート!

これまで、季節に合わせたおすすめ映画とその映画を観ながら食べたいごはんをご紹介してきた「映画とごはん」企画。

今回からは魅力的なストーリーはもちろん、おいしそうなごはんにも注目して観たい映画を紹介していきます。

第1回にご紹介する映画は、今年の5/5から全国で順次公開されているフランス映画『ウィ、シェフ!』です。

一匹狼の女性シェフと移民の若者たちのドラマチック・キッチン・コメディ

物語の舞台はフランス本土最北端にある港町、ダンケルク。一流レストランでスーシェフとして働くカティ・マリー(オドレイ・ラミー)は、自分のレストランを開くという夢に向かって突っ走ってきました。

実力主義の職場ではシェフの指示に「ウィ、シェフ!」と従うのがルールですが、ストイックすぎるカティは、味より見た目優先の指示を無視。シェフから三行半を突きつけられてしまいます。

捨て台詞を吐いて飛び出したものの、彼女が見つけた職場は理想とは正反対。移民の少年たちが暮らす自立支援施設でした。

質より量、時間厳守がモットーの施設にはまともな食材も器材すらありません。不満をぶつけるカティに、施設長のロレンゾ(フランソワ・クリュゼ)は少年たちを調理アシスタントにするアイデアを提案します。

厨房に現れたのは、料理人に憧れる最年少のギュスギュス(ヤニック・カロンボ)やサッカー選手を夢見るジブリル(ママドゥ・コイタ)たち。

彼らは18歳までに職業訓練学校に就学できないと強制送還される運命にありました。

料理の“り”の字も知らない少年たちは、厨房での身だしなみから始まり、素材の名前や扱い方に切り方など、覚えることが山積みです。

カティは彼らを指導する中で、移民問題にも目を向けるように。それはやがて少年たちの将来だけでなく、人付き合いが苦手で一匹狼だったカティの人生をも変えていきます。

果たして、カティと少年たちに待ち受ける未来とは……?