小学3年生で同じクラスのソウとレクト。友だちの輪になかなか馴染めないレクトは、唯一仲良くしてくれたソウに独占欲や執着心を抱くようになります。そして、ソウに誘いを断られたことをきっかけに、嫌がらせをするように。クラスメートや担任の鈴木先生の協力で嫌がらせはなくなったものの、レクトの過度な執着心を危惧した先生。ふたりを引き離そうと目を光らせ、次第にレクトの執着心は解けていきました。クラスで相手にされなくなったレクトは、ある日突然、学校に来なくなります。そして、1カ月ほど経ったころ、ふらっと教室に現れました。学校を休んでいた理由を「ケガしただけ」とクラスメートに話したレクトですが、ソウのお母さんは、「姉のメコちゃんに刃物で傷つけられた」という噂を、同じ学校の保護者から耳にしていました。
レクトは育児放棄を受けているという噂があり、姉のメコちゃんは生活が荒れて手がつけられない状態という、複雑な家庭事情がありました。
そんな中、学校に登校するようになったレクトに対し先生は、「暗いところや狭いところに閉じ込められてないか?」「お金がなくてもごはんが食べられるところがある」と話していたそう。
学校で暴れることも減り、落ち着いた様子を見せていたレクトですが……。
平穏に過ごず少年。しかし家庭では…
「もしかしたらレクトくんは、家ではない場所のほうが落ち着くのかもしれない」
このように考えるソウのお母さんは、「誰かに執着することがなくなったレクトは、学童のような場所でおとなしく読書をしている」と耳にしました。
そんなレクトの様子に安心していましたが、姉のメコちゃんは荒れた生活が加速してしまったそう。
メコちゃんは見た目が派手になり、都会で遊んでいたところ、深夜に補導されます。そのとき一緒にいた男性は、父親ではない大人の男の人だったのです。
娘がそのような状況にもかかわらず、迎えに来ないメコちゃんの親。問題は大きくなるばかりなのでした。
レクトがソウとトラブルになった際も、関わろうとしなかったレクトの親。姉のメコちゃんが警察にお世話になってもなお、関心がないようです。
子どもにとって、自分に関心のない家庭で育つことほど、つらいことはないのではないでしょうか。レクトやメコちゃんは心が不安定になってしまった結果、家の外でトラブルを起こしてしまっているように思います。家庭によって考え方はそれぞれで、子育てに正解はありません。しかし、せめて子どもがSOSを出したときは、しっかり寄り添ってあげたいですね。
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著者:マンガ家・イラストレーター 愛すべき宇宙人
配信: ベビーカレンダー(パパママ)
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