刑務所生活の実態とは?1日の流れや1年の行事を詳しく紹介

刑務所生活の実態とは?1日の流れや1年の行事を詳しく紹介

3、刑務所における受刑者の処遇

刑務所に収容されても、いずれは社会復帰します。

そこで、刑務所は罪を犯した人を「矯正」するだけではなく、釈放後、円滑に社会内生活を送るための「改善更生」を図るための施設でもあります。

法律では、「受刑者の処遇は、その者の資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする。」と定められています(刑事収容施設法第30条)。

そのため、刑務所では、釈放後の社会内生活を円滑に送るための指導として、「改善指導」というものがあります。

改善指導には、被害者などの感情を理解させ、罪の意識を培わせること、心身の増進を図ること、社会適応に必要な能力を身に着けることなどを目的とする「一般改善指導」と、薬物依存や暴力団への加入により、改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対し、その個別的な事情の改善に資するよう特に配慮して行う「特別改善指導」があります。

一般改善指導の例として、

犯罪被害者、遺族による講話
教養番組視聴
健康運動指導
酒害教育
窃盗防止教育
職業講話
対人関係円滑化指導

などがあります。

特別改善指導は、

薬物依存離脱指導
暴力団離脱指導
性犯罪再犯防止指導
被害者の視点を取り入れた教育
交通安全指導
就労支援指導

に分けられます。

4、自ら刑務所生活を望む人も

自由のない刑務所生活にもかかわらず、自らそれを望む方もおられます。

いわゆる刑務所志願者という方々で、若者に比べ高齢者に多いようです。

その理由として多いのは、お金がなくて生活が苦しいことです。

刑務所に入れば衣食住にかかる必要はタダ、税金で賄ってもらえます。

また、仮に、病気に罹ったとしても刑務所できちんと対応してくれ、かかった費用を負担する必要はありません。

食べることにも困窮する状況であれば、最低限の食事が出る刑務所に入りたいと思うのです。

また、一人暮らしの高齢者などの場合、「孤独がつらい。」「話相手が欲しかった。」「今の生活に疲れた。」という理由で刑務所に入りたいと思う人もいるようです。

しかし、たとえそうであったとしても、どのような理由があっても、刑務所にそれを求めることは違います。

なぜなら、刑務所に入るまでには、他人や社会を巻き込んだ犯罪を犯さなければならないからです。

もしも刑務所に居場所を求めてしまう自分を見つけたら、自治体のカウンセリングを受けてみてください。

あなたのこころのケアができるカウンセラーと出会えることを願います。

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