●夫が飲み会の時はLINE地獄に…
「元々私の父親の女癖が悪く、父の愛に飢えて育ったということもあり、彼氏ができるとすぐおんぶに抱っこになってしまうようなところは、学生時代からありました。彼氏ができた途端、彼氏の部屋に入りびたりになって、女友だちとはすぐ疎遠になってしまうタイプ。幸いなことに、彼氏はみんなそんな私を嫌がらずに支えてくれたので、自分の依存体質を知る由もありませんでした」(Bさん 以下同)
そう語るのは、1歳児と5歳児のママでもあるBさん。証券マンの夫とは、結婚9年になるが、今も変わらずラブラブな日々を過ごしている。
「夫は、今まで私が付き合ってきたなかでは一番優しい人。何をしても怒らないし、家事も育児も私がお願いすればたいていのことはやってくれます。夫でありながら、どこか父親のように感じてしまう瞬間も…。そんな夫に甘やかされてきた私は、土日もいつも一緒にいなければ気が済まないし、平日も仕事に行かれると、つらくて泣きそうになることがいまだにあります。特に月曜日や、お盆やお正月など、長い休みを過ごしたあとは、夫と離れるのがつらくてしかたがない。当然ながら、彼が飲み会などに参加する時は、そんなことありえないのに勝手に妄想がふくらんで、“若い女の子と話してイチャイチャしてるんじゃないか”“キャバクラにでも行ってるんじゃないか”と心配になって、ついつい“いまどこ?”“何してるの?”とLINEを送りまくってしまいます」
幸いなことに、夫はそんなBさんを嫌がらず、LINEもこまめに返してくれるというが、Bさん自身も、そんな自分がほとほと嫌になると悩む。
「週末明けがつらいので、月曜日はなるべく予定を入れたり、夫との思い出の曲を聞きながらウォーキングをしたりして、何とかごまかしていますが、こんな自分を異常だと思うものの、どうにも気持ちを抑えきれないのでやっぱり悩みますね。束縛も激しいので、“こんなことばかりしていたら、いつか夫に嫌われるんじゃないか”と不安になりますが、衝動を抑えきれない。自分でも“病気だな”と悩んでしまいます」
●愛をもらうばかりでなく与える努力を…
専門家の沼田氏は、Bさんにこんなアドバイスをおくる。
「“夫が大好き!”という気持ちと“夫から愛を奪おう”という気持ちはどうしても連動しやすいのですが、もう少し、“大好きな夫にどう愛を与えるべきかられるか”を考え、“愛を与える”ことを意識してみてはいかがでしょうか。Bさんはお父さんからの愛がほしくて、でも、それが手に入らなかったという心の傷がありますよね。親子関係での心の距離とパートナーとの心の距離はイコールであることが多いもの。ですからBさんの場合、“夫からもっと愛情を得たい!”と思うことは自然な流れなのです。ただ、“夫からのみ愛情を欲しがる”ということに問題が生まれてしまうので、そのような時は、自分の心から愛を生み出していく力=自己愛を育てていくことが大切。ペットなど愛を与える対象物を持ち、愛情を与えていくと、Bさんの心の中に、愛を与えてもらうだけでなく、愛を作り出す源泉が湧きやすくなります。もう一つは友だちや家族などです。夫以外に、Bさんに愛を与えてくれる存在を増やすことが大切です。Bさんを大切に思ってくれる存在は、きっと夫以外にもたくさんいらっしゃるはずですよ」(沼田氏)
愛は自ら与えるからこそ得られるもの…。夫からほしがるばかりでなく、与える努力を! そして外の世界を広げていくことで、Bさんの依存はきっと軽くなるはずだ。
(取材・文/吉富慶子)