
子育ての新常識になるか…!? 乳児用液体ミルク
日本ではまだ販売が認められていない乳児用液体ミルク(以下、液体ミルク)とは、その名の通り、そのまま赤ちゃんに飲ませることができる、乳児用ミルクのこと。欧米で広く普及している液体ミルクは、母乳に近い成分で、乳児に必要な栄養素もばっちりみたい。
忙しいママにとっては、喉から手が出るほどほしい(?)液体ミルクが、日本でも販売できるようになるかもしれません。読売新聞によると、政府は2017年度以降、業界団体に安全確認の試験実施を求め、必要なデータなどがそろえば、食品衛生法に関する厚生労働省令など関連規定を改正する方針だそうです。
ちなみに、欧米で売られている液体ミルク、どんな使い方をするかというと…
1) 液体ミルクの容器を振る
2) キャップとアルミの蓋を開ける
3) 人肌まで温める(常温でも良いとの情報も)
4) 哺乳瓶用ニップルをつけて赤ちゃんに飲ませる
温める工程は必要ですが、液体ミルクの容器が、そのまま使い捨ての哺乳瓶になる感じ。常温保存が可能で、賞味期限も数カ月あるようです。これだったらお腹をすかせた赤ちゃんを待たせなくても済むし、ママの負担の軽減にだって繋がるはず!
時短だけではない 真価を発揮するのは災害時
液体ミルクは、授乳が楽になるだけではないのです。液体ミルクが活躍するのは、災害が起こった時。例えば、地震や津波、洪水などが起きて避難所生活になった際、火も水も使えない状況で、赤ちゃんのミルクをどう作るのでしょうか。粉ミルクだけあっても、赤ちゃんにミルクを与えることはできない。赤ちゃんとママにとっては一大事です。
でも、災害用に液体ミルクを備蓄してあれば、火や水がなくても、赤ちゃんにミルクを飲ませることができるのだとか。熊本の震災では、フィンランドから液体ミルクの無償提供を受け、被災地のママたちは感謝の思いを口にしているそう。
液体ミルクが解禁されるかどうかは、まだまだ先の話。ですが、もし日本で液体ミルクが販売されるようになったら、育児の負担も、災害時にミルクを飲ませられないかもしれない不安も、一気に軽減できるかもしれませんね。
(文・山本健太郎/考務店)