大学時代、彼と交際して2年ほどたったころのことです。彼のお父さんからとんでもないものをもらい、困惑したことがありました。そのときのびっくりエピソードについてお話しします。
初めての実家訪問。その帰りに…
大学生のとき、交際していた彼の実家で犬を飼い始め、写真を見せてもらった私。そのかわいさに、どうしても会いたくなったので、彼の実家に遊びに行かせてほしいとお願いしました。彼は快くOKしてくれて、ちょうど交際して2年が経っていたこともあり、あいさつも兼ねて彼の実家を訪ねました。
当日は彼の家族も歓迎してくれて、写真で見たかわいい子犬とともに楽しい時間を過ごすことができ、うれしかったです。そして、失礼しようとすると、彼のお父さんがニコニコしながら「今日は来てくれてありがとう。これからも息子をよろしく」と言って、私に少し膨らんだ封筒を渡してくれました。「これは今日の記念に持って帰ってほしいんだ」と言われ中身が気になりましたが、お父さんの気持ちがうれしくありがたくいただいて帰りました。
どういう意味？プレゼントの中身はまさかの！
帰宅してワクワクしながら封筒を開けてみると、なんと中から「安産守り」が出てきたのです！ 見間違いかと思い何度も確認しましたが、そこには間違いなく「安産」という文字が。
「お父さんはもしかしたら私が妊娠していると勘違いしたのかも」と不安になり、彼に相談すると「お守りだから、もらっておけばいいよ」と言います。確かにその通りですが、「安産守り」だという部分はスルーできません。
困った私は、彼のお姉さんに相談。すると、お姉さんも「もらっておけばいいよ」と笑います。私が恐る恐る「もしかしたらお父さんは、私が妊娠していると誤解されているんじゃないですか？」と聞いてみると、お姉さんから「うちのお父さん、誰にでもそのお守りをあげるのよ。おじいさんにでも、おばあさんにでも」という衝撃的な答えが！
どうやらお父さんは、安産のお守りは人生のどんな局面にも効き目があると信じているそうで、相手が誰であってもプレゼントしているのだとか。そう聞いて、拍子抜けしてしまいました。
妊娠していると誤解されているわけではないとわかり、ホッとした私。彼のお父さんのやさしくて、チャーミングな人柄もわかりました。それにしてもかなりドキッとするので、息子の彼女に対してだけは「安産守り」をあげるのは、やめておいたほうがいいのでは？ と思ったことは内緒です。
著者／山辺満乃
作画／ちゃこ
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