大昔、付き合い始めた彼とイタリア料理店に行った時のこと。
ラタトゥイユを注文して「私、きんきんに冷えたのが好きなの」と言うと、「俺は温かい方が好きだなあ」と彼は言いました。ふーん、そうなんだ。冷たいラタトゥイユが好物の私は残念な気持ちで、大丈夫かな、この人と長続きするかしら、と思いました。
だけど、結婚して月日が経ち、今彼は冷たいラタトゥイユをうまいうまいと食べています。そしてこの「パプリカと玉ねぎの煮込み」は我が家では常備していて、夫も作り方を覚えています。
ラタトゥイユはたくさんの野菜を揃えなくてはいけないので、ちょっとおおごと。これは素材も少ないけれど、とても濃厚な野菜料理に仕上がり、びっくりするほど美味!なのです。
材料(2人分)
- 玉ねぎ 2個
- にんにく 1かけ
- パプリカ 3個
- オリーブオイル 小さじ1
- 塩 小さじ1
- 米酢 小さじ1
- 水 適量
作り方
玉ねぎを薄切り、にんにくをみじん切りにして、フライパンに入れます。
オリーブオイル、塩小さじ1/2を入れて混ぜ合わせます。水1/2カップを入れて蓋をして弱目の中火にかけて、水が無くなるまで放っておきます。
水気がなくなり焦げてきたら、更に水を入れて混ぜて、蓋をして放っておき、これを狐色になるまで繰り返します。
玉ねぎが狐色になったら、種を取って角切りしたパプリカを入れ、水2カップ、塩小さじ1/2、米酢を入れます。
蓋をして中火で20分間蒸し煮にします。
パプリカが柔らかくなったら、蓋を開け、時折混ぜながら、ねっとりするまで水気を飛ばし煮詰めたら出来上がり。
出来立てもおいしいですが、私が好きなのは粗熱が取れた頃、もしくはきんきんに冷たくした状態。
パプリカは高価な野菜。だから、お買い得な時にたくさん買って、これを作ります。
玉ねぎ2個とパプリカ3個と野菜たっぷりだけど、1週間は日持ちするから多めに作って。私は小腹が減ったら、冷蔵庫を開けてスプーンひと匙食べたり、目につくともう食べたくなってしまいます。
朝、昼、晩と食卓に出しても飽きません。パスタソースにしてもいいし、これをベースにカレーだって作れます。
とにかく野菜が甘い。だから、お酢を入れてちょっぴり味を引き締めて。パクパク食べたいからオリーブオイルもぐっと量を抑えています。
夏の常備菜にいかが?あまりにおいしくて驚いちゃいますよ。
さて、私の思い出のレシピをテーマに綴ってきた、hitotemaさんでの連載も今回が最終回です。
ひとつの料理にもたくさんの思い出と物語が詰まっています。その時料理していた時の私の気持ち、いっしょに食べた人の顔、ここでレシピを書いていると鮮やかに思い出しました。
私の今までの道のりを彩ってきた思い出のご飯を、皆さんと味わえたことをうれしく感じています。どうもありがとうございました。
撮影:今井裕治
配信: hitotema
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