親子登山におすすめのルートは?
標高3776m。この頂めざして、「吉田ルート」「須走ルート」「御殿場ルート」「富士宮ルート」の主要4ルートが設けられています。ふたりの息子さんと親子登山を楽しんでいる安藤真由子さんですが、長男は6歳ですでに登頂経験をしたそう(一般的には小学中学年から安心といわれます)。「山頂からの景色は最高。達成感もかけがえない経験になるはずです。親子で登るなら無理のない時間配分が必須。富士宮か吉田ルートがおすすめです」
●「吉田ルート」は、首都圏からのアクセスが良く、山小屋が充実した人気NO.1ルート
新宿から直行バスが運行される2305mの5合目が起点。山小屋の数も多く、救護所も設置され、子連れにも安心。登山行程は1泊2日で。1日目は中腹の山小屋に宿泊し、明け方まで充分に休息を取りましょう。そして暗い中で歩くのは危険なので、山頂でのご来光を目指す一般客とは時間をずらすなどの配慮も。登山道で迎えるご来光もいいものです。
●「富士宮ルート」は、東海・関西からのアクセスが良く、距離・時間ともに山頂への最短ルート
富士山表口と呼ばれ、2400mの5合目からスタート。安藤さんの長男も、このコースで登頂に成功したそうです。ですが最短ルートゆえに傾斜が強く、体力勝負のコースでも。吉田ルート同様にスタート地点の標高が高いので、高山病にならないように、その場で1時間程度休憩しながら体を慣らしていくことが大切です。山小屋や救護所の設置もあります。
事前の練習登山は不可欠!
富士登山に臨む前に練習登山は欠かせません。「富士登山は2日連続。もし来年の夏休みに計画しているなら、直前まで定期的に山へ行きましょう。これまで紹介した金時山や竜ヶ岳、大菩薩峠などは富士山が一望できる山。これらの山を歩くことで、次はあの山に登ろうと子どもの気持ちを盛り上げることもできます」。そして山小屋泊も経験しておくと、さらに良いでしょう。
富士登山のもうひとつのお楽しみ
ママに嬉しい情報を最後に。山登りの楽しみのひとつが温泉と地元のおいしいもの。それは富士山も然り。たとえば吉田ルート下山後におすすめしたいのは「紅富士の湯」(http://www.benifuji.co.jp)。内湯からも露天風呂からも富士を間近に見ることができます。そして富士宮ルートの下山後にはご当地グルメとして有名な「富士宮焼きそば」を堪能しましょう!
日常とは違う気づきをプレゼントしてくれる親子登山。山頂に立つことだけではなく、親子が一緒になり同じ時間を過ごすことが何よりもの価値あることです。安全第一に、あなたも親子登山を始めてみませんか?
■協力一覧
写真提供:安藤真由子
参考資料:『富士山ブック2014』(山と渓谷社)
安藤真由子さんも高山病の予防と対策について監修しています。