●平等であることにとらわれないで
「パパ・ママ世代は『男女皆平等であるべき』という学校教育を受けているので、男女差、個人差に対して敏感に反応するようです。でも、100%平等なんてあるでしょうか? 夫とだって気持ちがすれ違うことがあるのに、祖父母とすべてうまくいくなんてありえないでしょう。孫への対応に差があっても、それは普通のことと、とらえるくらいでいいと思います」(ぼうださん 以下同)
孫への対応は、祖父母の状況や親子関係によっても変わってくるという。
「介護が必要になる祖父母もいます。子どもをみてくれるだけでも、もうけものと思いましょう (笑)。孫によって差があるからといって、祖父母との関係をシャットアウトしてしまうのはパパ・ママの自己都合というもの。祖父母の助けがゼロじゃなければいいという気持ちでいるといいですね」
同居をしていて、子どもが日々ストレスにさらされているようなら、距離を置くことを考える必要がある。でも、もし1年に数回しか会っていないなら、祖父母がしてくれていることや、援助してくれているプラスの面に目を向け、たまに会う日は頑張ってほしいと、ぼうださんは話す。
●祖父母との交流で子どもが得られるもの
孫への対応差が気になる場合、実家が遠方なら意識的に連絡する機会を増やすといいそうだ。
「よく会う孫とお正月に1回しか会わない孫なら、祖父母の接し方も違ってきます。会う日が少ないなら電話や手紙などで連絡を取り、できれば会う機会も増やしていくといいですね」
今の子どもは核家族のなかで育ち、ご近所付き合いも減っているため、世代間ギャップを持ちやすいのだとか。
「祖父母との関係が希薄だと、子どもが就職して上司が60歳過ぎの嘱託(しょくたく)社員だったとき、年配の人との接し方が分からず困ってしまった、なんてこともあるそうです。異世代交流のできる場が減っている今、祖父母とのコミュニケーションは社会勉強をするチャンスでもあるんです」
最後に、ぼうださんは、子どもはどちらの祖父母からも愛情を受ける権利があると念を押す。
子どもにとって、祖父母は無償で味方になってくれる貴重な存在でもある。完璧を目指さずに、祖父母と賢く付き合うことを目指してみて。
(ノオト+石水典子)