というのも「夫婦仲は良好だが、風俗通いだけが許せない」というケースはむしろ少なく、風俗問題の影には、下記のような背景があることが多いそう。
・夫婦間のセックスに手抜きやマンネリを感じる
・セックスレスである
・自分からセックスを求めないと夫は応じてくれない
・夫はセックスのときしか自分を女性として扱ってくれない
・夫からの家事や育児への協力がなく、ねぎらいの言葉もない
・夫だけが自由にお金を使っている
・正直夫に興味はないが、性感染症だけは避けたい
・夫だけが他でセックスを楽しむのはずるいと思う
「このような妻の不満が根底にある場合、風俗の件は夫婦問題の一部が表出しているに過ぎず、夫が風俗に行かないよう監視したり、罰則を設けたりしたところで解決には至りません。まずは根本の問題を妻が自覚することです」(西郷さん 以下同)
●夫婦で性への価値観や超えてほしくないラインを共有しよう
その後の夫との話し合いは不可欠だが、責めたり泣きわめいたりと、妻が感情的になるのはNG。「風俗に行かれ、女性としての自信がなくなった気がして私は悲しかった」などと、自分を主語にしてどう感じたかを冷静に話すのがポイントだ。その際、「今後どうしていくつもりなのか」を前提に話をすること。
根本の問題についてどう感じているかはもちろん、性への価値観や、お互いに超えてほしくないラインを夫と共有することが賢明だ。妻は話し合いの前に、夫が風俗通いをやめない場合、自分はどうしたいかを考えておく必要があるという。
「例えば、夫に特殊な性癖があることが判明した場合、妻がそれに応じられないとしたらどうするのか。離婚したくないのであれば、『性感染症だけは気を付けてほしい』『絶対に私にばれないようにしてほしい』などと条件付きで、自分は黙認できるのかを考えてみてください」
また、風俗発覚を機に、長年セックスレス状態だった夫婦がお互いに気持ちを伝え合い、スキンシップから徐々にレスを解消するきっかけになることもある。
「もしも夫が『風俗通いはやめない』と開き直り、さらに妻の不満にも向き合わない場合は、結婚の継続を考える機会ととらえるべきでしょう」
互いの価値観を知ってときには譲歩することで、絆を強めることができる。問題の表面だけではなく、その背景にも目を向け、良好な夫婦関係を築いていこう。
(北東由宇+ノオト)