レシピ通りに作ったのにチャーハンがおいしくない?料理本ではわからない味付けのコツ

レシピ通りに作ったのにチャーハンがおいしくない?料理本ではわからない味付けのコツ

定番料理でありながら意外と難しいチャーハン作り。レシピ通りに作ったのに味付けがイマイチでおいしくなかった…なんて経験はありませんか?料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は失敗しない味付けの考え方を始め、さまざまなコツを教えていただきます!

こんにちは!かな姐です。

暑い日が続いていますがお元気でしょうか?

こう暑いと日課にしているウォーキングも外に出ることすらできなくなり(身の危険を感じる日差し)、もっぱら家でドラマを観ながら足踏みをしているわけですが、みなさんは暑い中でも運動する工夫を何かされていますか。

さて!今月のお悩みです。

チャーハンの味が決まりません。

こちらを選んでみました。

ちょうど夏休み真っただ中で(後半に差し掛かりましたね)、お昼ご飯にチャーハンを作る機会も多いのではないかと思います。

残りご飯と卵、あとは野菜の切れ端だの昨夜の残りのおかずだの中途半端に残っているものでも何でもござれ!

全て刻んでご飯と一緒に炒めてしまえば、おいしいチャーハンのできあがり~っと、うちでも子どもたちが小さい頃からお休みの日の定番のランチメニューでした。

中華のお店で出てくるような、ご飯、卵、ねぎ、チャーシューみたいに定番の具の黄金チャーハンもいいですし、うちで作るそのときそのときによって具材が変化するおうちチャーハンもいいですよね。

味付けですが、塩としょうゆのみ!って方もいらっしゃるかもしれませんし、最近の方は上手に鶏がらスープの素や中華のだしをお使いになられますから、これらを味付けに使われる方もいらっしゃるかもしれません。

が、多くのチャーハンの作り方という一般的なレシピを見てみますと、味付けが実に曖昧なことに気づきました。

そこが多分一番大事だと思うよ?っていう分量、すなわち塩の分量が「少々」と書いてあるレシピのなんと多いことか!

目分量でササッと味付けできるならば、チャーハンの作り方なんて見ませんよという質問者さんの声が聞こえてきそうです(笑)。

というわけで!!

今回わたしがお伝えしようと思うのは、一番シンプルな材料で作るチャーハンです。

塩少々を極める!チャーハンの味付けの考え方

具材においしいものを入れちゃうと、そっちに引っ張られて味付けも加減しなくてはいけなくなってしまうので、あえて一番シンプルなものを見ていただき、これを基本のチャーハンとすれば、あとは具にどんなものを使うかで基本の味付けから引き算すればいいということになります。

ではまず使う材料を見ていただきましょう。

あったかいご飯、長ねぎ、卵、油、塩、そして写真に撮るのを忘れてしまいましたがしょうゆも使います。

ご飯はきっちり量をはかってください。今回は2人前なので400g用意しました。

ちなみにご飯なんですが、水加減を少なめにして炊いたご飯が望ましいです。水加減多めでやわらかめに炊いたご飯だと、どんなに頑張って炒めてもパラパラチャーハンにはなりません。

一粒一粒がつぶれることなく、形が保たれている状態のご飯が望ましいです。

冷やご飯を使う場合は、ほぐしやすいように少しレンジで温めておいてください。

卵はボウルに割り入れて軽くほぐし、長ねぎは粗みじん切りにしておいてください。

では作っていきましょう。

フライパンに大さじ2の油とみじん切りにした長ねぎを入れて強火にかけます。

もしもウインナーソーセージやひき肉、チャーシューなどを入れて作る場合は、この長ねぎと同じタイミングで入れます。

長ねぎの淵が少し焦げてくるくらいまでしっかり加熱して、長ねぎの香ばしい香りを油にしっかり移してあげます。

ここでしっかり長ねぎの香ばしさが出るくらいに炒めること、しっかりフライパンの温度を上げること、これがチャーハン作りのポイントです。

弱火でただ長ねぎを温めるのみ、の作り方ではおいしいチャーハンになりません。

電子レンジでチャーハン風の混ぜご飯を作っているのと何ら変わりがありません。あれはあれで手軽で便利だし、おいしいんですが、今回はせっかくフライパンで作るんですから!

ここからは大急ぎで!

長ねぎが焦げる前に、

溶き卵を流し入れます。

木べらで2回くらい卵を大きく寄せ、寄せ、くらいしたら(卵を投入してから7秒後くらい)

ご飯を入れます。卵はまだ半熟の状態です。

木べらでご飯と卵を切り混ぜるように、なじませながら手早くご飯をフライパンに混ぜ広げていきます。

写真は卵とご飯を混ぜながら広げたところ。

左手はお留守のままでいいです。家庭のガスの火力で無理にフライパンをあおったりすると、逆にフライパンの温度が下がってしまうのでフライパンは置いたままです。

右手だけ動かして、しっかり木べらで切り混ぜます。

そしてここで、塩を入れます。塩はご飯の1%の量。ご飯が400gだったので、今回は4g入れます。これが重要!

例えばここにベーコンやウインナーなど、塩気のある加工肉を入れる場合は、これらの塩分があるので4gも入れなくてもいいんです。大体半分で良し。

さらに、キムチや高菜漬けを入れる場合もそうです、それらもしっかり塩分が含まれているので、ここで塩は入れなくても良いくらいなのです。

粗めの塩だとなじみにくいので、さらっとした塩を全体に振りかけるように入れ、味のムラがでないように丁寧に混ぜます。

ご飯と卵がまんべんなく混ざり合ったら、火を中火に落としてご飯の真ん中にスペースをあけます。

もう十分にフライパンは熱々の状態になっていますので、ここにしょうゆを入れますと…

しょうゆは一気に沸騰し、一瞬にして香ばしい香りがたちこめます。

すぐに周りのご飯をこの焦がししょうゆに混ぜます。

塩味はさっきの塩でしっかりと付けてあげ、ここでのしょうゆは香り付けの意味で入れているのでほんの少量でOKです。

はい、できあがりです。

盛り付けですが、ひと手間かけて、器でちょっと型抜きのようにしてあげるとただのチャーハンでも丁寧さが伝わり、おいしさにもつながるような気がします。

こうして…

こんな感じになります。

あとは小口切りの万能ねぎなどを青みとしてのせ、あれば紅しょうがを添えます。

 

味付けの成功への極意は、どのくらいの量のものに対して自分が今から味付けをしようとしているのかをまず知ることから!

塩の量は食材の1%が基本。

 

そしてその食材にすでに塩味がついているものなのか、いないものなのかを判断して、塩の量を減らし、ちょうどよい味加減を探ります。

具材に味が付いている場合なんですが、あえてご飯の部分を薄味にして味に濃淡をつけると、よりおいしさが際立ちますし、バランスがよく、最後まで飽きずに食べられます。

ちなみに1合の米を炊くと約330gくらいのご飯が炊きあがり、これはお茶碗2膳分くらいになります。ダイエット中や小食の方ならば3膳分。

フライパンの中の温度をしっかり高温にして調理することで、卵はふわっと焼け、さらに仕上がりもベチャッとならず、パラパラになります。

最後に今回の基本の卵チャーハンのレシピを書いておきます。

「基本の卵チャーハン」のレシピ

分量

2人分

材料

・固めに炊いた温かいご飯…400g

・卵…2個

・長ねぎ…1/2本

・こめ油…大さじ2(またはラードでも)

・塩…4g

・しょうゆ…小さじ1

・万能ねぎ、紅しょうが…各適量

作り方

1. 長ねぎはみじん切りに、卵はボウルに割り入れ、軽く溶く。

2. フライパンに油と長ねぎを入れて強火にかける。長ねぎの淵が少し焦げてくるくらいまで十分に炒めたら、卵を一気に流し入れ、木べらで大きく2回寄せ、半熟の卵の上にご飯を入れて木べらで切り混ぜながらフライパン全体に広げていく。

3. 卵とご飯がよくなじみ、パラパラになってきたら塩を加えて全体をよく混ぜ、真ん中にスペースをあけて火は中火にする。

4. 空いたスペースにしょうゆを流し入れる。これを全体になじませ、火を止める。

5. 器に盛り、万能ねぎ、紅しょうがをトッピングする。

 

いかがでしたでしょうか。

お料理はまずは基本から!ということで、今回は卵と長ねぎだけで作るチャーハンを例に、基本のチャーハンの味付けをおさらいしてみました。

塩分量をなるべく抑えて作りたい場合は、その代わりに香りの出るもの、例えばにんにくやしょうが、クミンやカレーパウダー、ハーブなどを上手に使ってあげると、塩分がたとえ1%に足りなくても充分においしく感じられます。

仕上げにせん切りにした青じそをのせたり、三つ葉をのせたりするのもおすすめです。

万が一味付けを失敗してしまったときのごまかし方法として覚えておくのもアリです(笑)。

次回チャーハンを作るときの参考にしてくださいね!では来月もお楽しみにーーーー!

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