紫キャベツや紫たまねぎを使うと目でも楽しめる華やかな一皿に
バル飯とは、簡単に言うとお酒に合うおつまみのことです。インスタグラムでは、お酒をおいしく飲むためのレシピにこだわって発信しています。私がつくるバル飯は、ちょっと個性的でクセがある料理が多いのですが、基本の作り方は材料を切ってあえるだけ。火を使わないレシピが多いので、夏場でもつくりやすいと思います。
スーパーや輸入食品店などで、手軽に揃う食材を使っているのもポイントです。アンチョビやゴルゴンゾーラ、クミンなどのスパイスが、バル飯にはよく合います。イタリアンと日本の食材を使った料理が好きなので、和と洋をリミックスしたレシピを考案することも多いですね。
五感で楽しんでもらいたいという思いもあり、味だけでなく、こだわっているのが料理の見た目。紫キャベツや紫たまねぎ、ラディッシュなど“紫の食材”を使うと、お洒落な一皿になるんです。例えば、生のキャベツを使う時に、紫キャベツにすることでメリハリがついてキレイに見え、栄養価もアップします。料理との色合わせを考えて食器を代えることも、華やかに見せる秘訣です。
私のレシピには「これとこれ、本当に合うの?」と思うような食材の組み合わせも多く、「どういう味なのか想像できない」と言われることがよくあります。でも、それが謎めいた魔女がつくるレシピのようで、面白いなと思っています。毎日の料理はワンパターンになりがちなので、私のレシピから新たな食材の組み合わせを発見してもらい、お酒とのマリアージュを楽しんでもらえたらうれしいですね。
桃はカルパッチョや白和えにしてもおいしい!
レシピのアイデアを思いつくのは、基本的には朝。ベッドの中でスマホをチェックしながら「今日はインスタグラムで何を発信しようかな」と考えていると、インスピレーションが湧いてきます。
桃を薄めに切るのがポイント!「完熟桃のカルパッチョ オリーブと山椒のビネガーソース」
果物の中でも桃が大好きなので、著書『魔女のバル飯』でも桃を使ったレシピをいくつか紹介しています。その一つが「完熟桃のカルパッチョ オリーブと山椒のビネガーソース」。カルパッチョは、魚介や肉でつくることが多いと思いますが、その時期にしか食べられない果物でも、おいしくできるんです。
絹ごし豆腐でジューシーな桃をあえた「桃と粒マスタードの白和え」
豆腐と桃をあえた一品が「桃と粒マスタードの白和え」。さっぱりとした味わいで、よく冷えたワインにぴったりです。いまの季節ならキウイを使った「ゆで豚のキウイとオリーブのソースがけ」もオススメです。キウイには砂糖では出せない自然な甘みがあり、甘酸っぱさとフルーティーな香りが肉のこってり感を軽くしてくれます。
「ゆで豚のキウイとオリーブのソースがけ」はどんなお酒にもぴったり!
固定観念をとっぱらって、桃や柿などのフルーツを甘味に、柑橘類を酸味として使えば、出会ったことのない味になり、飽きることがないんですよね。塩味の代わりにアンチョビや昆布茶を使うのもオススメです。
野菜の中では、トマトが一番好きですね。著書に「真鯛とハーブの マリネ セミドライトマト添え」を載せているのですが、セミドライトマトは、特売品のミニトマトで十分おいしくつくれます。ヘタを取ったミニトマトを半分に切り、110℃のオーブンへ。60~90分焼いて冷めたらビンに入れ、ミニトマトにかぶるくらいオリーブオイルを注げばできあがり。水分を飛ばしたトマトはうま味が凝縮されているので、冷製パスタやブルスケッタ、カルパッチョなどにもよく合います。
ドライハーブをたっぷり使った「真鯛とハーブのマリネ セミドライトマト添え」
配信: たべぷろ