お皿を全部入れようとせず料理に一歩近づいて撮影すること
著書に掲載している料理写真は、私自身でスタイリングし、自宅でスマホ(iPhone)を使って撮影しています。最近、やっと最新機種にしたのですが、ずっと数年前のモデルで撮影していました(笑)。お皿の下に見える木目は、DIYでつくったベンチ。ホームセンターで購入した板をオイルステインで塗りました。背もたれがないベンチなので移動しやすく、タイルの壁に寄せて撮ることもありますね。
料理を撮影する時、お皿を全部入れていませんか?料理をおいしそうに撮影するコツは、お皿を全部入れようとしないこと。私はその料理で一番伝えたいところを中心に撮るようにしています。だから私の料理写真は、どこかが見切れているものがほとんど。トリミングはせず、あえて料理に一歩近づいて攻めるように撮ると臨場感が出て、「食べたい!」と思える写真になるんです。
何よりも大切なのは自然光で撮影すること。照明を使ってしまうと、料理がペタっとして見えたり、余計な光が入ってしまったりと、失敗しがちだからです。私はレフ板や三脚、肘も使わず(笑)、スマホを手で持ち、光の向きを考えながら撮影しています。
私のレシピをつくった人たちから「料理を通してパートナーとの会話が増えた」というメッセージをいただくことがよくあります。きっとそれは、普段見たことがない食材の組み合わせや、目でも楽しめる料理だからだと思います。「食べるのも、つくるのも楽しい」という声もたくさん寄せられるので、ぜひつくってみてもらいたいですね。いつもの食卓はもちろん、ホームパーティの時に一品加えていただくと華やかになり、会話も弾むと思います。
〈プロフィル〉
ami(アミ) バル飯研究家。元夫と共にイタリアンレストランの経営に10年携わる。2014年より保存食の料理教室、パーティやケータリングのフードコーディネートを担当。ナチュラルフードコーディネーターとしても活動を開始し、2019年にはお酒に合う「バル飯」をテーマにInstagram(@glitte__recipe)を開設。現在は食をコンセプトにしたインテリアデザインや陶器の制作、レシピ考案など他業種とのコラボも多数展開。
『魔女のバル飯』
ami(アミ)著/宝島社
定価:1100円(税込)
◇百菜元気新聞の2023年8月1日号の記事を転載しました。
配信: たべぷろ
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