男性は女性専用車両に乗れる?不快な状況を避けるために知っておくべきこと

男性は女性専用車両に乗れる?不快な状況を避けるために知っておくべきこと

男性の皆さん、女性専用車両に乗った際に不快な視線を感じたことはありませんか?

何も悪いことをしていないのに、犯罪者のように見られる経験は、女性専用車両の存在に疑問を抱くことでしょう。

今回は、女性専用車両の意義や背後にある問題についてご紹介します。

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1、男性NGの女性専用車両を作った意味

女性専用車両は、2000年に京王線で試運転を開始して以来、京王線では2001年に正式に車両が導入され、2005年には都内全域で導入されることになりました。

歴史はまだ浅い女性専用車両ですが、作られた意味はご存知ですか?

以前、某コメディアンも、男性は激混みの通常車両、女性は涼しげに座って本を読む、などと女性専用車両をネタにしていたこともありました。

女性専用車両は女性を優遇するために作られたのでしょうか?

本項では、なぜ女性専用車両があるのか、について解説していきたいと思います。

(1)女性の人権を守るため

女性専用車両を作った意味は女性の人権を守るためです。

2017年の都内における迷惑防止条例違反(痴漢)の件数は約1,750件でうち電車内での割合は51.3%です。

駅構内も含めると71.3%で、件数に換算すると約1,248件にも上ります。

都内では特に多い電車内での痴漢行為。

そのうち申告している女性は法務省の調査によるとたったの13.3%だけです。

つまり、都内だけでも、毎年約9,000人近くの女性が、電車内や駅構内での痴漢行為に対して、泣き寝入りしている計算になります。

このように電車内では女性の人権侵害率が高く、女性の人権を守るために女性専用車両が作られました。

(2)男性の痴漢の冤罪を避けるため

混み合っていれば、体が女性に触れることもあるでしょう。

しかしこうした場合、痴漢と間違われるケースも多々あるのです。

とは言え、痴漢については「やっていない」という立証が難しく、被害を申告されればたいがい警察行きとなってしまいます。

このように、特に痴漢を警戒している女性に女性専用車両を使ってもらうことにより、事実無根の痴漢事件の数は大幅に減少することが期待できるわけです。

2、男性専用車両の導入予定は?

残念ながら、2023年末現在、男性専用車両を作成する予定はどの鉄道会社にもありません。

「男性専用車両」を作ることによるメリットが少ないからです。

女性専用車両を作っても、すべての女性が女性専用車両に乗車できているわけではありませんので、完全に痴漢を排除することはできていません。

もっとも、少なくとも痴漢のトラウマがあったり痴漢を怖がる女性たちは、女性専用車両に乗ることで、痴漢に遭わない方法を選択することができるというわけです。

その意味で、女性専用車両にはメリットがあります。

他方で、痴漢に間違われたくない男性としては、両手でつり革を掴むなど、わざわざ男性専用車両に乗るまでもなく対策を取ることは可能です。

一般的には、男性が被害者となる迷惑防止条例違反事件は生じにくいことから、やはり、男性専用車両を作るというメリットは、これを導入するコストに比して少ないといわざるを得ないでしょう。

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