医療機関ではどんな治療をするのだろうか。主な症状別の治療法について、婦人科形成「なおえビューティークリニック」の喜田直江院長は以下に挙げてくれた。
1. 小陰唇のひだが大きい
「小陰唇縮小手術」が一般的。局所麻酔でメス、ラジオナイフ(高周波メス)を使用し、大きさやかたち・厚さを変えていく。日帰り手術ができ、ダウンタイムがないため、家事や育児・仕事にも支障がない。
2. ちつのゆるみ
ちつ縮小手術もあるが、もっと手軽で効果的なのは、高周波エネルギーを粘膜のコラーゲン組織に送り込む「VIVEVE(ビビーブ)」という施術。また、その進化形「UltraVera(ウルトラヴェラ)」という機械で行う超音波を使った施術は、痛みがほとんどなく、約20分で効果を得られる。
3. 性交痛
更年期による性交痛には、硬くなったちつ壁をやわらかくするレーザー治療が一般的。
4. 黒ずみ
小陰唇や大陰唇が大きめの人は、下着にこすれることが多くなるため、黒ずみが起こりやすい。手術で小陰唇や大陰唇を縮小することもできるが、一般的な治療法は「ケミカルピーリング」。くすみやざらつきを解消する。
また、臭いに関しては、感染症がない限り、ヘアのケアをすれば比較的すぐに解消するという。
●「もう一生セックスしなくて良い」と思ってしまう前に
「女性器」に関する悩みを解消する治療法は多数あり、日帰りでできる簡単なものが多い。
また、ダウンタイムもほとんどなく、日常生活に支障がないため、パートナーには相談せずに来る人が多いそうだ。
それにしても、他人に見えない性器について、なぜそんなにも悩む人が多いのだろうか。喜田院長は次のように話す。
「女性器に関するコンプレックスが原因で、セックスを拒否する女性は非常に多いのです。特に産後のゆるみなどで、ダンナさんとの夜の生活が上手くいかなくなってしまうケースは多数あります」
産後しばらくセックスしたくなくなるのは、ホルモンの影響で自然なこと。しかし、そこから「ちつのゆるみ」の悩みなどが生じ、やがてはセックスレスになってしまう女性も多数いるそうだ。
「パートナーとの間で、セックスはやはり大事。今はちつの状態も、治療によって出産前と同じくらいに戻せますので、『もう一生セックスしなくて良い』と思ってしまう前にぜひ相談してほしいと思います」
「もうセックスしなくて良い」「セックスレスでも夫婦仲が良いなら問題なし」と思う人ももちろんいるだろう。それが夫婦共通の認識であれば問題ないが、どちらかが不満を抱えているのであれば、医療機関で治療を受けてみるのも一つの方法かも。
(田幸和歌子+ノオト)