高齢出産は流産や先天性異常のリスクが高まることはすでに知られているが、無事出産した後、「高齢ママ」の子育て事情は意外に知られていない。
40代前半で一男一女を出産、現在は「46歳の体にムチ打ちつつ(笑)」、5歳娘と2歳息子の子育てに忙しい漫画家・水玉ペリさんに「高齢ママ」の本音を聞いた。
●若いママのうっかり発言にかたまる瞬間も
一口に「幼児のママ」といっても実は年齢層は幅広い。水玉さんの長女が通う幼稚園のママたちのなかには、当然20代の若いママもいる。そんな“若ママ”のうっかり発言にときにぎくりとすることも。
「上の子の幼稚園の若めのママが『うちの旦那、年が離れててもう40過ぎなんだよね~』なんて私の真後ろで話していて、『うわあ、喋れねえ~』って無言になったことも(笑)。それから、地方の実家に子連れ帰省して、おばあちゃんと孫に間違われたことも3回ありますね」
高齢出産は増えているとはいえ、まだまだ高齢ママは少数派。とくに小さい子どもほど、「おばあちゃん」と勘違いして無邪気に話しかけてくるのだとか…。
●高齢ママの親もすでに高齢ゾーン
さらに深刻な問題もある。それは「高齢ママの実親もすでに高齢」という事実だ。つまり育児をサポートしてくれる戦力としてあてにできないということ。
「私の母はもう78歳。温厚でめったに怒ったりしないタイプなんですが、夏に子連れ帰省したら、やんちゃすぎるうちの子たちに手を焼いて『あんたらもう知らんでー!』ってキレられて(笑)。でも数年前に心筋梗塞を患って体力もなくなっているし、当然といえば当然ですよね…」
母自身の年齢を考えれば、いつ介護が必要になってもおかしくない。そんな姿を目の当たりにして、「もう自分の親は頼れない」と覚悟した水玉さん。それならば「多少お金はかかっても周りに助けてもらおう」と意識を変えたそう。
「今は上の子は幼稚園に通っていますが、下の子は託児施設に週2~4回預けています。AsMama(アズママ)などの子育てシェアにも登録していて、託児所がいっぱいだったときに預かってもらったことも。そういうのを上手に利用すれば、大丈夫、高齢ママでもなんとかなります!」
体力や気力は20代ママに負けても、長い人生で培ってきた知恵やコミュニケーション能力、経験値でカバーできることは多いはず。高齢であることを悲観せず、子育てを楽しんでいこう。
(阿部花恵+ノオト)