こだわりが詰まった・味の開発と工夫
それぞれラーメンとしてのこだわりを持つ監修店と、鍋つゆとしての味わいにこだわるミツカン。それぞれの強みが活かされて完成した鍋つゆの裏側には様々な努力があったようです。
こだわりの掛け合わせ
「今回監修をお願いしたのはラーメン店なので、食べた時の最初のインパクトを大切にされています。もちろんミツカンの鍋つゆも食べた瞬間の味は大切にしています。しかしラーメンは塩味が強いため、鍋つゆをそこと同じ基準にしてしまうと最後まで食べきれず途中で飽きてしまいます。」
「私たちは鍋にした時に最後まで美味しく食べられるというところを目指しています。ただラーメンスープ、となると監修店側にとっては物足りなさがあったようです。もう少し濃くして、醤油を増やして、塩を増やしてといった意見が出てくる中で、具材を入れて鍋として完成させた時の味わいや、監修店らしさをどう表現したか伝えることで、お互い納得する味に近づけていきました。」
と話す笹井さん。監修店にサンプルスープを持っていく時は鍋つゆならではの持っていき方があるのだとか。
「監修店に持っていく時は具材を入れた状態で6種類くらいのサンプルを出します。監修先はやはり味のプロなので、一口食べて気になったサンプルは、具材の旨味が溶け込んだときの味わいの変化をみているのか、全部食べ続けます。案の定評価が高いものは食べ続けた鍋のスープです。気に入らないスープは一口飲んだ瞬間で判断されてしまいます。」
札幌味噌拉麺専門店けやきのこだわり
「 けやきさんのスープは、味噌だけでなく野菜や魚醤の複雑な旨味などいろんなものが複合されて旨味ができています。ぜひパッケージの裏面を見てみてください。」
赤枠部分が原材料。他の鍋つゆより多くの原材料が使われています。
「原料で野菜の甘みを出そうとするとどうしても表面的な甘みになってしまって、どうすれば自然な甘みを出せるのか悩みました。そんな中、鍋の具材として玉ねぎを入れることで自然な甘さが引き出されることに気付き、結果としてけやきさんの思い描く野菜の甘みが入り込んだスープを表現することができました。まさしく一緒に煮ることができる鍋だからこそできたスープです。玉ねぎを入れた鍋を実食した時にこれだ!と盛り上がりました。ぜひ裏面に書いてあるレシピを試してみてください。」
中華蕎麦とみ田のこだわり
「とみ田さんのスープは魚粉の旨味と豚骨の旨味の両方のバランスがいいのが特徴です。鍋つゆを作る時もインパクトがありながらも魚粉・豚骨のいい塩梅を探し出したいと常々考えていました。サンプルスープをとみ田さんに持っていく時もいろんな比率でブレンドしていく中で、双方が納得できるスープになりました。」
それでもラーメンならではの味わいとのバランスに苦労をしたといいます。
「やはり苦労したのは、かえしのインパクトのある味わいですね。醤油量を増やそうとすると鍋つゆとしてはキツくなってしまう。意見を出し合って醤油量のバランスをとりました。」
ミツカン独自の指標・ベロメーター
開発にあたって何度も監修店に足を運び、打ち合わせが終わるたびにラーメンを食べて帰ったという笹井さん。鍋つゆにするにあたって、ミツカン独自の判断基準や指標などはあるのでしょうか。
「スープまで美味しく飲めることが根底にあるので、鍋つゆの塩分濃度の数値化をして、基準値を決めています」
また、鍋の実食は複数人で食べてディスカッションをするそう。
「開発の中ではベロメーターと呼んでいます。原液を飲んで正解ではありません。やはり鍋なので具材を煮込んだ上で、具材を一旦抜いてからスープだけ飲んで味としてどうなのかを判断します。」
監修店との打ち合わせ終わりにそれぞれの店のラーメンを実食し、スープの味を確かめることで、追い求める味をクリアにしていったとのこと。時には夜9時から試食会を始めることもあったそうです。何百種類のブレンドサンプルを食べることを繰り返して、こだわりの鍋つゆが完成しました。
鍋つゆだからこそ具材を入れた時の味わいを大切に
具材の旨味が溶け出すお鍋だからこそ、入れる具材にはこだわりたい。ただ具材を入れすぎてしまって味がぼやけてしまった経験がある人は多いはず。
「ベースとなるスープはもちろん、一番合う具材や量も一緒に考えて作りました。素材から出る水分量はそれぞれ具材によって違います。実際に食べていただく消費者が満足いただける具材量で、味わいが薄くなってしまわないベストの素材量をグラム単位で考えました。」
お店の顔が見える鍋つゆにしたい
笹井さんが裏コンセプトに掲げていたのが「人の顔が見える鍋つゆ」。監修店が、こだわりを持って監修していることが見えるようにしたかったとのこと。そのこだわりは、味だけでなくパッケージデザインなど細部にもあらわれています。
「ただミツカンの鍋つゆにラインナップが増えました、というのだけではなく商品の奥行きを出したかったんです。だからこそパッケージも屋号だけでなく、できるだけ店の情報をいれました。」
裏面にはお店情報のほか店主からの〆のワンポイントアドバイスも記載。
「今回監修店の力を借りて、より美味しい・より品質のいい鍋つゆを開発できました。だからこそ、ミツカンとしてけやきさん・とみ田さんをより多くの人に知って欲しい。この鍋つゆを起点に興味をもって各お店に足を運んでいただけるようになればいいなと思います。」
ミツカン社員に聞いた!監修鍋つゆのおすすめレシピ
そんなこだわりの鍋つゆ、「札幌味噌拉麺専門店けやき監修 札幌味噌鍋つゆ」と「中華蕎麦とみ田監修 濃厚豚骨魚介鍋つゆ」。それぞれの鍋つゆを美味しく食べられるおすすめのレシピ・具材を知りたい!ということで聞いてみました。
監修鍋つゆにおすすめの具材
「どんな具材・量でも監修店さんの味わいはそのままで、最後まで美味しく食べれるようにこだわりを持って味の設計はしています。お好きな具材で楽しんでくださいね。
秋冬は白菜がよく出てくるし、白菜から旨味が出る。美味しいのはわかっています。ただ白菜は消費者の方によっては入れる量に大きなばらつきがでるので、水分量が大きく変わってしまいます。おすすめのレシピを記載しているのは、より監修店らしさを感じられるようにしているのでそちらも試してみてくださいね。」
札幌味噌拉麺専門店けやき監修 札幌味噌鍋つゆのおすすめレシピ
【材料:4人分】
豚バラ肉 薄切り300g
キャベツ1/4個(300g)
にんじん1/3本
長ねぎ1本
しめじ1袋(100g)
たまねぎ1/4個
にら1/2束(50g)
札幌味噌拉麺専門店けやき監修 札幌味噌鍋つゆ 1袋
【作り方】
キャベツは一口大に切る。にんじんは短冊切りにする。長ねぎは斜め切りにする。しめじは石づきを落として小房に分ける。たまねぎは薄切りにする。にらは5cm幅に切る。
鍋に「札幌味噌拉麺専門店けやき監修 札幌味噌鍋つゆ」を入れ、よくかき混ぜながら煮立てる。1と豚バラを鍋に入れ、火を通して完成。
中華蕎麦とみ田監修 濃厚豚骨魚介鍋つゆのおすすめレシピ
【材料:4人分】
豚バラ肉 薄切り300g
キャベツ1/4個(300g)
にんじん1/3本
長ねぎ2本
しめじ1パック(100g)
水菜1/4袋(40g)
中華蕎麦とみ田監修 濃厚豚骨魚介鍋つゆ1袋
【作り方】
キャベツは一口大に切る。にんじんは短冊切りにする。長ねぎは斜め切りにする。しめじは石づきを落として小房に分ける。水菜は5cm幅に切る。
鍋に「中華蕎麦とみ田監修 濃厚豚骨魚介鍋つゆ」を入れ、よくかき混ぜながら煮立てる。1と豚バラを鍋に入れ、火を通して完成。
しめはやっぱりラーメン?
ラーメン店監修であるのでタブーということはわかりつつ、おすすめのしめを教えてもらいました。
「もちろんおすすめのしめはどちらの麺つゆもラーメンです。ただ、けやきさんはチーズリゾットにするのもおすすめ。味噌とチーズの相性は抜群ですよ。とみ田さんは雑炊にするとダイレクトにスープを最後まで楽しめます。」
配信: くらしマグネット