高島彩が語る「ママたちが文句を言われないような環境作りを…」

第2回 高島彩・インタビュー
2女の子育てに追われながらも、働くママとして精力的に活動するフリーアナウンサーの高島彩さんが、初の子育てエッセイ『彩育 -伝える、変わる。-』(KADOKAWA)を出版。「子育てを通して大きく変わりました…」と語る高島さんが、自身の子育てを本音で語ってくれました。

●育児に没頭できるのが30代の子育ての利点

――35歳で長女を出産した高島さん。「子育てって大変だな~」と感じた瞬間はありますか?

「30代後半の子育てで、私が“いいな”と思うのは、20代で一通り青春を満喫したので、“やり残したことがない”という充足感のなかで育児に没頭できるということでしょうか。ただ体力的には20代の時よりはるかに劣るので、娘たちと遊んでいると、“あ~これが若い頃だったら、もっと体力があったのにな~”と思うことはたまにあります(笑)」(高島さん 以下同)

――育児のストレスがたまることはありますか?

「元々忘れっぽくてあまり悩まない性格なので、子育てでストレスがたまることはあまりありませんが、子どもたちが変わらないのだから、自分が変わるしかない…そう思うと、思考の整理もできるし、葛藤することはあっても、悩んで苦しんでイライラが募るということはない気がします。大人の人間関係と同じかもしれませんね。人はなかなか変えられないので、自分が変わっていくしかないと思うようにしています」

子育て

●ママたちが文句を言われない環境に…

――2番目の娘さんを出産した際は、1カ月半で現場復帰されたそうですが、ワーキングマザーとして活躍するなかで「大変だな」と感じたことは?

「ベビーカーを押している時、気が付くといつもあちこちで“すみません…(邪魔で)”とペコペコ謝っているんですよね。だから、デパートの扉を抑えてもらうだけでも、心がじんわりと温かくなったりして…。母親になって、謝ることが多くなったなとは思います。私の場合、主人や母が側にいて育児を手伝ってくれるので、とても恵まれた環境にいますが、働くママたちにとって、日本はまだまだ、意識の改革が必要だと感じることがあります。
子供を預けて母親が働くことは、どこかエゴやワガママのようにとらえられるし、例えば、『子どもが熱を出したので休みます』という時、会社にも保育園にも、周りの人すべてに、嫌な顔をされながら「すみません」と謝る。大切な子供の体調を心配しながら、睡眠不足の中、家事に追われながら、常にいたばさみで心が窮屈なところにいるんですよね。子どもは日本の宝だし、パワーの源でもある。宝物を育てているお母さんにもう少し寛容になってくれたら、と願います」

――ワーキングマザーとして、普段から心がけていることは?

「自宅に帰ったら、必要に迫られない限り資料は開かず、子どもたちと思い切り向き合うようにしています。スマホで調べ物をしているときに限って、娘が何度も『かまって~』と話しかけてくるし、私もそんな時はどこか上の空なので、“これは良くないな、悪循環だな…”と思ったんですね。自宅に帰ったら潔く、あきらめることにしました(笑)。作業は子どもが寝静まってからと決めています」

飾ることなく、等身大の目線で“今の子育て”について語ってくれた高島さん。「以前はストイックな性格でしたが、だいぶいい加減になりました!」とチャーミングな笑顔で語るその姿からは、母として充実した日々を過ごしている様子が伝わってきました。

(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

高島彩
高島彩
フリーアナウンサー
‘79年2月18日東京都生まれ。B型。‘10年にフジテレビを退社し、フリーアナウンサーとして活躍。「♯nakedEve」、「平成教育委員会」「池上彰緊急スペシャル」(共にフジ系)に出演。「Domani」(小学館)で「高島彩のしごと日和、こそだて日和」を連載中。
‘79年2月18日東京都生まれ。B型。‘10年にフジテレビを退社し、フリーアナウンサーとして活躍。「♯nakedEve」、「平成教育委員会」「池上彰緊急スペシャル」(共にフジ系)に出演。「Domani」(小学館)で「高島彩のしごと日和、こそだて日和」を連載中。