「主人在宅ストレス症候群」になりやすいタイプ

第2回 夫が原因で妻の体調が悪くなる「夫在宅ストレス症候群」
「夫が家に帰ってくると胃が痛くなる」「夫が家にいるだけで体調が悪くなる」などと感じる女性たちは少なくない。そうした症状は「主人在宅ストレス症候群」と呼ばれるそう。

では、どういったタイプの女性がなりやすいのか。『主人在宅ストレス症候群』(かもがわ出版)の著者で黒川内科の黒川順夫院長は特徴を次のように挙げる。

□もともと遠慮しがちな性格。
□夫のことを『主人』と言い、いつでも立てて気を遣っている。
□夫に対して強くモノを言えない。
□責任感が強い。
□親身に相談に乗ってくれたり、話を聞いてくれたりする人がいない。
□趣味がない。

逆に、妻が夫に対して思ったことをポンポン言える性格である場合には、ストレスはたまりにくいとか。ただし、女性側の性格にかかわらず、夫の性格によって起こる場合もあるそう。

「家にずっといることで妻にストレスを与えがちな男性には、仕事が生きがいというタイプや、趣味がなく、休日は家でゴロゴロしているタイプが挙げられます。また、男尊女卑の傾向があり、すぐにキレたり、『自分は働いているのだから』と主張したりするタイプ。嫉妬深く、妻が外出すると不機嫌になったり、詮索したりするタイプも多いです」(黒川院長 以下同)

お互い目を合わせない夫婦

●会話がない夫婦、どちらも趣味がない夫婦は要注意

女性には、旅行について「夫婦で行くのはイヤ。友達と行く方が気楽で良い」と言う人が多い。それは、夫婦で行くと旅行先でも「お茶を入れてくれ」と言われるなど、ちっとも休まらないからだ。そして、こうした妻が感じる窮屈感は、夫が長く家にいると、解放されることなく、続いていくという。

「また、会話の少ない夫婦の場合、妻が思っていることを言えずに、ストレスをためがちです。さらに最悪なのは、男性と女性の両方に趣味がない場合です。ストレスを発散させる方法がなく、ずっと顔をつきあわせていることで、互いの嫌なところばかりが気になるようになってきます」

「亭主元気で留守が良い」とは昔から言うけれど、それは現代の若い夫婦関係においても共通しているそう。

夫が家にいることで窮屈な思いをしがちな女性は、まずは夫婦の会話を増やすようにする、あるいは趣味を見つけるなど、考えてみては?
(田幸和歌子+ノオト)

お話をお聞きした人

黒川順夫
黒川内科 院長 医学博士
九州大学医学部心療内科医局長、大阪労働衛生センター第一病院心療内科部長等を経て、黒川内科院長に。黒川心理研究所所長。日本心身医学認定医兼研修指導医、認定内科医。
九州大学医学部心療内科医局長、大阪労働衛生センター第一病院心療内科部長等を経て、黒川内科院長に。黒川心理研究所所長。日本心身医学認定医兼研修指導医、認定内科医。