空気が乾燥すると増加する!?PCやスマホで急増するドライアイについて上原先生に教えていただきました

空気が乾燥すると増加する!?PCやスマホで急増するドライアイについて上原先生に教えていただきました

寒くなり、空気が乾燥してくると、髪や肌だけでなく目の乾燥も気になる・・・

PCやスマホの使用時間がどんどん長くなりがちな現代、悩む人も増加傾向のドライアイについて、湘南リウマチ膠原病内科の上原武晃先生にお話を伺いました。

ドライアイ(乾燥眼、乾燥性角膜炎)は、眼球の表面が適切に潤っていない状態を指す眼の問題です。

この状態は、涙液の分泌不足または涙液の質の低下によって引き起こされることが多いです。

ドライアイの主な原因

1)涙液の分泌不足

眼球を潤すために必要な涙液の量が不足している場合、ドライアイが発生します。

涙液が不足する原因としては、加齢、ホルモンの変化、特定の薬物の副作用、疾患などによるものがあります。

2)涙液の質の低下

涙液は水、油、粘液から成り立っており、これらの要素のバランスが崩れるとドライアイが発生することがあります。

油膜が適切に分泌されないと、涙液が蒸発しやすくなります。

3)外的要因

環境要因、特に乾燥した空気、風、煙、エアコン、コンピュータ画面を長時間見ることなどがドライアイを悪化させることがあります。

4)眼瞼の問題

まぶたの閉じ方や点眼が不十分な場合、涙液が適切に分布しないことがあります。

目の渇きを感じたら・・・まずは自分でできるケア方法を

軽度なドライアイの場合は、以下のセルフケアを試してみましょう

1)人工涙液:初期のドライアイの症状を軽減するために、市販の人工涙液(涙の代用品)を使用することができます。

2)加湿器の使用:室内の湿度を上げるために加湿器を使うと、環境によるドライアイの症状を和らげることができます。

3)目の周りの保湿:目の周りの皮膚に適切な保湿クリームを使用することで、ドライアイを和らげることができます。

4)栄養と生活習慣:適切な栄養摂取、十分な睡眠、適切な水分補給が重要です。また、煙草を吸わない、適度な運動、ストレス管理も役立ちます。

病気が原因のこともある

ドライアイというと、目の使い過ぎや疲れなど、軽く考えてしまいがちですが、病気が原因となっていることもあります。

〇シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は、免疫系の障害により唾液腺と涙腺が炎症を起こし、涙液および唾液の分泌が減少する自己免疫疾患(膠原病)です。

これによって、ドライアイとドライマウス(唇や口の乾燥)の症状が起こります。

〇結膜炎

結膜炎は結膜の炎症を伴う疾患で、炎症が進行するとドライアイの症状が生じることがあります。

〇結膜下出血

眼の結膜に出血が起こると、一時的にドライアイの症状が現れることがあります。

〇糖尿病

糖尿病患者は、高血糖によって神経や血管にダメージが生じ、涙液の分泌や質に影響を及ぼす可能性があります。

〇自己免疫疾患(膠原病)

他にも多くの自己免疫疾患が、涙腺や眼球の組織に影響を及ぼし、ドライアイを引き起こす可能性があります。

〇疾患治療薬

特定の薬物(例: 抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗不安薬)は、ドライアイの副作用として知られており、症状を引き起こすことがあります。

これらは代表的な例であり、他にも多くの要因がドライアイの原因となる可能性があります。

受診の目安

たかがドライアイ・・・思ってしまいがちですが、以下のような場合は受診を検討してください。

●症状が長期間続く場合

●症状が非常に重い場合

●痛み、充血、視力の急激な変化などの異常な症状がある場合

●他の眼の問題と併存している場合

セルフケアを試しても改善しない、症状が重い場合や慢性的である場合は、上記のように原因となる重要な疾患が隠れていることもあり、場合によっては治療が必要なこともあります。

医療機関などに相談し、専門的な検査や治療法を検討するとよいでしょう。

執筆者

上原武晃先生

日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員

大学病院・市中病院を経て2019年神奈川県茅ヶ崎市に湘南リウマチ膠原病内科を開院。

2000例を超えるリウマチ膠原病専門診療の経験を通し、女性特有の関節症状の鑑別、リウマチ膠原病疾患の早期発見早期治療、専門ケアに注力した診療をおこなっている。

更年期など女性特有の体の不調、手や指のこわばりや関節痛などの診察のため、東京神奈川を中心に毎月1000人を超える患者さんと向き合っている。

湘南リウマチ膠原病内科

https://www.shonan-riumachi.com/

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キレイ研究室
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「今よりもっと、これからもずっときれいでいるために。」をコンセプトに、化粧品開発、ヘルスケア、ネイリストなどさまざまなジャンルの専門家が、中立の立場から「キレイ」についてのコラムを発信しています。
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