【茨城県境町がスゴい!】先進英語教育が無料、25年住み続けると住宅&土地がもらえちゃう⁉️“未来に投資する”独自の子育てサポートとは

【茨城県境町がスゴい!】先進英語教育が無料、25年住み続けると住宅&土地がもらえちゃう⁉️“未来に投資する”独自の子育てサポートとは

子育て支援が充実している全国の自治体を独自にリサーチし、「すごい!」と感じた自治体に、あんふぁんWeb編集部がインタビューするコラム「この自治体がスゴい!」。

第2回は、茨城県の境町(さかいまち)。東京駅から高速バスで最短90分、都心まで通勤・通学圏内の地域で、「住みたい田舎」ベストランキング(宝島社「田舎暮らしの本」2023年2月号)では、首都圏エリアと北関東エリアを合わせた“関東の町”の中で、「子育て世代部門」第1位に選ばれました。

子育て支援日本一を目指す同町では、公設の保育園児〜中学生まで「先進英語教育」がなんと無料で受けられるそう。また、25年間家賃を払って住み続けると、土地と建物がそのままもらえるという“太っ腹”な子育て応援住宅も整備され、奨励金や補助金も充実しているというのです。

「英語移住しませんか?」をコンセプトに掲げる同町の地方創生課・大島さん、和田さん、境町教育委員会の影山さんに話を聞きました。

――境町では、「先進英語教育」が無料とのことですが、具体的にはどういうことを行っているのでしょうか?

影山さん
特徴の1つは英語講師の人数です。町内の小中学校には、1校あたり2〜3人程度、ALT(外国語指導助手)が常駐しています。通常、1校あたり0.8人程度が一般的で、授業以外では学校にいないケースが多いのですが、境町の場合には各学校に常駐しているので、授業中はもちろん、登校時や休み時間、給食の時間など、子どもたちが常に英語に触れられる環境があります。

英語授業の様子

影山さん
また境町では、実用的な英語を身につけるため、特にスピーキングに力を入れています。今の学校教育課程では、小学3年生から外国語活動が始まるのですが、境町では小学1年生から英語に触れる授業がありますし、町が選定したテキストを教科書と併用して、応用力や表現力を身に付けていきます。小中学校の段階から実用的な英語力の基礎を身に付け、中学卒業時には、自分の言葉でスピーチができることを目標に取り組んでいます。

――公設の保育園ではどのような英語の取り組みを?

影山さん
保育園ですので、授業やレッスンというよりは、保育士や園児が講師と一緒に遊びながら、自然に英語に触れてもらうことを大事にしています。まずは、耳から自然に英語を聞いてもらうことに力を入れていますね。

――他にはどんな施策がありますか?

影山さん
ハワイ州ホノルル市の小中学校と姉妹校提携をしており、コロナ禍はオンラインで交流をしていましたが、今年は3月にアリアマヌ中学校の生徒11人が境町に、8月には町内の中学生15人がアリアマヌ中学校へ短期留学・ホームステイをし、交流しています。

――保育園〜中学校にかけてそれだけ英語に触れる機会があると、英会話もかなり上達しそうですね。実際に成果は出ているのですか?

影山さん
町内の学校に通う小中学生なら誰でも年1回英検が無料で受けられるので、子どもたちの英語に対するモチベーションも上がっていて、英検の取得率は年々増加しています。中学3年生の英検3級以上の保有率は全国平均の1.6倍になりました。

――成果も出ているんですね。そもそもなぜ英語に特化されたのでしょうか?きっかけがあったのですか?

影山さん
近年、小さいうちから英語に触れさせたいなど、保護者の英語教育への関心が非常に高まっています。その一方で、いざ習わせるとなると、送迎や費用など家庭の負担が大きく、実際は何もしてあげられていないという状況もあるかと思います。そこで、町が公立の小中学校で英語教育に取り組むことで、家庭の負担なく平等に、質の高い英語教育を受けられることを目指し、取り組みが始まりました。

――保護者の方からの反響はいかがですか?

影山さん
毎年、児童や保護者を対象にアンケートを取っていますが、英語教育をやってくれてありがたい、という感謝の声が寄せられます。子どもたちが学校で習ってきた英語を家で教えてくれたりして、英語が上達してきているんだなあと実感しているそうです。子どもたち自身も英語が好きになって、「将来英語が使える仕事をしたいと思っています」という感想もありました。

大島さん
先進的な英語教育に魅力を感じて境町に移住をしたいと希望する方は増えてきていますし、英語教育を含む、子育て支援策全般に魅力を感じてくれている方はとても多い印象です。

――他にも、境町は子育て支援策が充実しているんですよね。どういったものがありますか?

和田さん
医療費は20歳の学生まで無料です。第二子以降の保育料が所得制限や兄弟の年齢に関わらず無料だったり、給食費もみんな無料です。こういったところが一番ありがたいという声をいただいていますね。広くいろいろな方に利用いただけるようにという点には、力を入れています。

――移住サポートについてお聞きしたいのですが、住宅の補助があるんですね?

大島さん
子育て応援住宅はとても反響があります。町が整備した住宅に家賃5万8000円で25年間住み続けると、その住宅と土地が無償でもらえるという施策です。昨年募集されたものは、12棟の募集に対し55世帯から申し込みがありました。今年も2023年9月から12月15日まで、22棟の募集をしています。すでに募集を上回る申し込みをいただいていて、締切までにもう少し増えそうです。

入居者募集中の子育て応援住宅(イメージ)

――まだ応募が間に合いますね!その他に魅力的な施策はありますか?

和田さん
子育て・新婚世帯には、住宅取得で50万円の支給があったり、転入者の方が住宅取得すると、固定資産税の居宅部分の相当額を最大で3年間もらえるなど、いろいろなサポートがあります。

――初めて住む方は町民税相当額最大50%もらえるという施策もあるんですよね。全国初の取り組みなんですか?

大島さん
はい、全国初です。これもすごく大きな移住のきっかけになっています。こういった境町の施策が認知されてきていて、問い合わせが増えてきているという実感があります。

――魅力的な施策がたくさんありますが、それらの財源はどこから?

大島さん
ふるさと納税が大きいです。境町はふるさと納税の寄付額が関東で1位なんです。返礼品の中ではお米の食べ比べセットや常陸牛、干し芋が人気で、リピーターの方も多いです。いろいろな施策を行っていく上で、ふるさと納税は大きな財源になっています。

――職員のみなさんはどのような思いでそれぞれの施策にあたられていますか?

影山さん
英語教育で言うと、全国でも先進的でなかなか先行事例がない中、手探りで始めたところもあったんですが、実際に授業で子どもたちが先生と楽しそうに英語で触れあっているところを見たりすると、携わっていてよかったなと思います。自分が子どもの頃にはあり得なかった体験ができてうらやましいと思いつつ、この取り組みをもっといろいろな人に知っていただけたらありがたいなと思います。

大島さん
移住定住施策については、移住をしていただいた方にアンケートを取ると、「境町に移住して良かった」という声が多くて、やってよかったなと思います。教育もそうですし、子育て支援も住宅についても、もっと多くの方に知っていただけると嬉しいです。

お話をお聞きして、試行錯誤の中で、“未来に投資する”先進的な取り組みをされていること、その成果が見えつつある喜びも伝わってきました。子どもたちの学ぶ環境にフォーカスして、住みたい自治体について考えてみるのも大切ですね。

境町の子育てサイト
https://www.town.ibaraki-sakai.lg.jp/page/page001032.html

配信元

あんふぁんWeb
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全国の幼稚園にお届けするフリーマガジン・あんふぁんの公式サイト「あんふぁんWeb」は、園児ママのための子育て情報サイト。「心がふっと軽くなる! ママ発信の子育て共感メディア」をコンセプトに、自身の実体験やクチコミなど、子育てに役立つ情報をお届けしています。
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