【登校or不登校?】そもそも学校って何のために行くの?

【登校or不登校?】そもそも学校って何のために行くの?

子どもに「何で学校に行くの?」と聞かれたことはありますか? 就学前に好奇心から出てくる問いでもありますし、学校生活に慣れた頃に、宿題やイベントからの逃避や倦怠感から出る問いでもあります。そして、子どもが不登校になると、途端に重みの増す問いでもあります。

不登校が社会問題として日常的に報道される中、特に子どもたちから見た祖父母世代にとっては、なかなか「学校に行かない状態」というのは理解できない様子です。時代も価値観も異なるとはいえ、学校に行かないことを心配されると、保護者としてもますます心配になりますよね。
今回は、「学校へ行くことへの価値」や「学校以外の居場所」などについて、小学校の通常級担任や特別支援教育コーディネーター、そして現在はスクールカウンセラーとして活動している経験からお伝えします。

「登校」への迷いがあるとき
毎日忙しい現代の子どもたち。まだ「不登校」まで行かない段階であっても、あるいは元気に登校していても、「行きたくない」日はあったりします。「なぜ学校に行くのか」が、気になるのはそんなときです。

・親が「あれ、なんで学校へ行かなくちゃいけないんだろう?」と登校を勧める自信をなくす
・子どもが「なんで学校へ行かなくちゃならないのか」と不信感、拒否感をもつ

例えば上記のように感じた時は、親子で「登校」へのスタンスを考えなおすいい機会です。登校することが「今の子どもにとってのベスト」でないことは、珍しいことではありません。
しかし、残念ながらさまざまな人間がいる以上、違うスタンスを強く主張する人もいます。

・周囲の人間が「学校へ行かないなんて!」と拒否感を示す、責める
・不登校など近い立場の人が「学校へ行かなくてもいい!」と主張する

強い言葉に、傷ついたり惑わされることもあるでしょう。相手の言葉が善意からくるものであればなおさらです。まずは考えを整理して、親子に一番合うスタンスを見つけていきましょう。

「学校へ行くこと」には価値がある
学校といえば勉強や行事とセットにされがちですが、ほかにも、「学校へ行くこと」には得がたい価値があります。

・日中週5日、活動する習慣ができる
・集団の中でのコミュニケーション経験が積める
・たくさんの比較対象がいる中で「自分」が浮き彫りになる
・「やりたくないこと」に慣れる

学校で求められる規範は、社会で「一般的とされていること」を基準に学ぶ場所であるため、不自由さはあります。しかし子どもにとっては、その「不自由であること」すらも、大事な学習のチャンスです。

また、「登校」に否定的な人の中には、現行の学校制度そのものへの反対意見を持っている人もいます。今の学校のすべてを肯定することはできませんが、昔から続くこれらの価値が失われたわけではありません。

行くのは「居住地の学校の、所属する学年・クラス」でなくてもいい
保護者には「教育を受けさせる義務」があります。そして、学校は教育機関としてさまざまな価値を持っています。

でももし、今通っている学校の環境が、お子さんにとって「学べる場所」でないのであれば、「登校」する場所を変えることを考えてみましょう。

・学校内の別室、保健室、支援級
・通級指導教室
・地域のフリースクール
・オンラインや通信型のフリースクール
・その他、子どもの「居場所」になりうる環境

学校に行くことには価値がありますが、ほかで補えるのであれば環境を変えてみましょう。子どもが集まって活動できる場所、日中を連日過ごせる場所は、学校以外にもあります。学校との連携が取れている施設であれば、活動日が出席日数としてカウントできることもあります。

地域の施設は環境によって異なります。うまく探せない時は、学校や地域の教育委員会でも相談してみると良いでしょう。また、コロナ禍以降、リモート(オンライン)での活動環境は飛躍的に向上しています。不登校っ子向けのサービスもさまざまな企業で扱われているので、お子さんに合いそうなものを試してみてください。

目の前の子どもに必要な、オーダーメイドのサポートを
目の前のお子さんに必要なのは、どういった環境でしょうか? それがもし今の学校では無理なのであれば、近い環境・必要な環境を探し、作っていきましょう。そのためにまず、以下のような点を整理しておくと良いでしょう。

・行けそうな場所は? 時間は?
・やりたいことはある?
・自分たちに必要なものは?
・協力してくれそうな人は?

服でもアクセサリーでも、オーダーメイドは手間と時間がかかります。学習環境も同じです。既存のものが体に合わないのであれば、合うスタイルを探していきましょう。学校に近い環境で落ち着けるのであれば、その後の進学・就職の選択肢も広がります。

子ども自身が大きくなって、好奇心がより外へ向くようになれば、自分で学びたいものを探させるのも一つの方法です。時には、学校で学ぶ内容よりも深く掘り下げることもできます。

考慮する際は、「親が負担できる範囲内か」も忘れずに。環境を維持するためには、長期的に継続することが前提になります。「多少無理をしてでも!」というのも親心ですが、続けられるかは慎重に判断してくださいね。

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