親が知っておくべき犯罪になる意外な少年事件例

第2回 子どもが関わる可能性のある軽度な犯罪
親にすれば考えたくもないことだが、子どもがもし犯罪に関わっていたら…。本人が意図していないのに、犯罪行為を行っていることがあるという。渋谷青山刑事法律事務所の二宮英人弁護士に、意外な少年事件について聞いてみた。

「未成年のお子さんがやってしまいがちなのが、落書きです。選挙のポスターなどに落書きをすることは、器物損壊罪になりえます。1度や2度したくらいで、事件化されることはないものの、やりすぎると警察沙汰になることもありえます」(二宮弁護士 以下同)

ほかにも注意したいのが、自転車の二人乗りや電柱に登ること、さらにはゴミ捨て場にある自転車を持って行くこと。特に、たまたま自分の自転車が故障しているからといって,ゴミ捨て場にある自転車を持って行ってしまうと、事情聴取などを受けることにもなりかねない。

「自転車を捨てるには、自治体や収集業者への届け出が必要です。そのため、ゴミ捨て場にある自転車は、盗難にあい、そのまま乗り捨てられた車両である可能性があります。自転車の所有者が被害届を出していた場合、窃盗罪に問われてしまうこともあります」

自転車

●ティーンだからこそ気を付けたいこと

思春期という微妙な年代に増えてしまう、特徴的な犯罪はある?

「女の子は親からの過度な期待や学業のプレッシャーから、ストレス解消のために万引きをするケースが見られます。男の子は狭くなった住宅事情や、母親の干渉が強いことが原因で自慰行為ができずに、痴漢や盗撮行為などの性犯罪を起こすことがあります」

また、性犯罪の面で男の子が気を付けたいことに痴漢の誤認がある。

「携帯や本を持っている手の甲がたまたま女性の胸に当たった、もしくは普通に降ろしていた手の位置がお尻に当たっただけで、痴漢と勘違いされてしまうことがあります。体格の大きい男子は、女性から恐怖感や威圧感を抱かれやすいため、特に注意が必要です。電車通学をしている男の子がいる家庭では、満員電車では手の位置に気を付けるなど、痴漢に間違われない仕草を教えてあげるといいでしょう」

本人にとっては悪意がないことでも、違法行為だったり、犯罪と間違われたりするケースもある。子どものうちは、まだまだ一般常識の理解が足りない。監督責任のある親は、子どもたちの行動を気にしながらフォローをしていってあげよう。
(ノオト+石水典子)

お話をお聞きした人

二宮英人
渋谷青山刑事法律事務所
弁護士。刑事事件・少年事件が専門。少年犯罪においては被疑者とその家族を含め、親身に対応。依頼者の人生が過度に傷つけられることのないように配慮をした弁護活動を行う。
弁護士。刑事事件・少年事件が専門。少年犯罪においては被疑者とその家族を含め、親身に対応。依頼者の人生が過度に傷つけられることのないように配慮をした弁護活動を行う。