■親に会うたびに出費がかさむ……
最初のエピソードは、親と会う時の出費について。こちらの「善意」が、相手の「当たり前」になったら、あなたはどうしますか?
「結婚してから、両親とは離れて暮らしています。たまに会う時は温泉に行ったり、外食したり。『お金は私たち夫婦が出す』という暗黙の了解がありました。
ただ、最近は物価高もあり、夫から『そういったことは、少し控えようか』と。基本的には私たちが両親のいるところへ出向くため、交通費もかかるし、その意見には同意でした。夫婦の話し合いで、わざわざ有給を取るのもどうかと思うし、『夏の帰省はやめて年末年始だけ』と決定。
したのですが、両親から『最近どうしてるの?』『会いたいわ』と連絡が。その要望に応える形で、予定を変えて両親に会いに行きました。その時も食事に行ったのですが、当たり前のように『ごちそうさま』と言われ、さっさと席を立たれてしまいました。
『会いたい』と言うから会いに行き、『外で食べたい』と言うから外食をしたのに、私たちが払うことが当然であるかのような振る舞い。夫もさすがに『会いたいわけじゃなくて、奢ってもらいたかっただけでは?』と不満顔。
後日、そのことを両親に話したところ、やはり折半の考えは持ち合わせていなかったようです。『私たちも生活がキツイ』と言われたので、『それはこちらも同じ。おごってもらうことは当たり前じゃないよ』と、念を押しました。
両親としては、これが親孝行だと考えていたのかもしれませんが、『おごられて当たり前』は違いますよね。私の両親のことなので、夫には申し訳ないことをしたなと……。
いまも両親との付き合いは続いていますが、長年かけて培った金銭感覚はなかなか抜けない様子。今後もトラブルは続きそうです」(40代・女性)
これ、友だち関係でも“あるある”じゃないですか? 別に、お金を出すことが嫌なわけではなくて、当たり前だと思われるのが嫌なんですよ。まだ解決には至ってないようなので、先が思いやられますね。
■お金の管理が苦手な夫。3年で貯金100万円を達成
続いては、お金の管理が苦手な夫が散財していたという女性のお話。地道に改善を続け、見事、軌道修正に成功したようです!
「現在は自宅で仕事をしていますが、結婚当初は持病もあり、仕事も家事もできず、ほぼ寝たきり状態でした。そのため、家計を支えるのは夫の給料のみでしたが、夫はIT企業に勤めていて年収も低くはなく、不安はありませんでした。
家計管理も夫に任せていたのですが、ある日、ガス会社やクレジットカード会社から電話が。どうやら引き落としができなかったようで、急いで夫に連絡すると、『お金を引き落とし口座に移し忘れた』とのこと。その時はすぐに対応し、事なきを得たのですが、それ以降も同じようなことが続きます。
結婚から1年が経ち、私も起き上がって生活できるようになった頃、夫と話し合いをしました。これからは家のこともやらせてほしいと伝え、その流れで家計の状況を聞くと、『実は俺、お金の管理が本当に苦手で…』『貯金はほとんどない』と言いました。通帳を見せてもらうと、残高は10万円ほど。結婚した時は200万円あったはずなのに……。
夫いわく、『普段、あまり計算せずにお金を使っている』『引き落としで足りない分は貯金から補填していた』とのこと。加えて、私の入院・治療費の支払いも重なり、こうなってしまったと。しかも、次の引き落とし額を、いまの貯金額では補えないことも判明。時間もなかったため、ゲームソフトや家電など、思いつく限りのものをリサイクルショップで売り、なんとかしのぎましたが、とても複雑な気持ちでした。夫を責めたい気持ちはありましたが、私の治療費がかさんだのも事実ですから。
元々、夫の実家はお金持ち。大学時代もバイトをせず、ご両親が生活費を際限なく渡していました。お金がなくなったら、ポンと100万円振り込むような家庭だったんです。そのため夫の金銭感覚は浮世離れしていて、あればあるだけお金を使ってしまう。病気とはいえ、何もかも任せきりにしていた私にも責任があります。そこで、私は夫に提案しました。
経理の仕事をしていたこともあり、お金の管理は得意分野。『これからは、家のお金を私に預からせてくれない?』『頑張って稼いでくれたお金を大事に守っていきたい』と。夫は自分でなんとかしたかったようですが、『家計簿をつけて、毎月レポートを見せる』という提案に納得してくれ、私名義の口座に入金してくれるようになりました。
大赤字の家計を見直すところから始め、まずは赤字をなくし、貯金を始め……。結婚3年目には私も働いてお金を入れられるようになり、少しずつ貯金が増え、結婚4年目を迎える頃にはついに100万円に到達しました。
夫だけが悪いわけではありません。自分のこともあらためて振り返り、金銭感覚を変えていこうとしていますが、なかなか難しいですね。けんかになることもあるし、よその家庭と比べれば私たちの貯金ペースはかなり遅いでしょう。でも、私たちは私たちのペースで少しずつ軌道修正をして、お金を貯めていけたらと思っています」(20代・女性)
育った環境が違うと、金銭感覚もまったく違うんですね。 “私たちは私たちのペースで”。素敵な言葉です。
(文・画像作成:ママテナ編集部)