「あわや自宅が家事に!」定年退職した父の気になる行動の原因は…家族が父の病気を受け入れた日【体験談】

「あわや自宅が家事に!」定年退職した父の気になる行動の原因は…家族が父の病気を受け入れた日【体験談】

自分の父が、少しずつ様子がおかしくなっていたのに、なかなか認めることができずにいました。「ちょっとぼんやりしてるだけ」「ちょっとうっかりしただけ」なんて思い、深刻に考えていなかったのです。父が認知症になって、あやうく自宅が火事になる寸前だった事件の話です。

定年後、毎日テレビを見るだけの父

父は65歳で定年してから、一日中ほとんど外出せず、家の中で過ごすようになりました。ほぼ日中テレビの前から座って動かず、甘いコーヒーを何杯も飲み、母が作る夕食以外は菓子パンばかり食べていました。

母はまだパート勤めを続けていたので、昼間家にいる父が家の掃除等はしてくれますが、それ以外に体を動かすような運動は何もしてないのです。父の偏った食事と、刺激のない日々の過ごし方は、さすがに不健康ではないかと心配していたところでした。

父の行動に違和感が

そんな生活が続いたある日、父は時々ふらりと出かけるようになりました。ようやく健康を意識し始めたのか、近所を軽くウォーキングしてるのだと母や私は思っていたのです。

ところが、そのころから少しずつ父の違和感のある行動が気になり始めました。部屋の掃除をしてくれたと思ったら、お風呂場の洗面器がなぜかキッチンに置いたままになっていたり、母や私の私物が押し入れの中など妙な場所で見つかったり……。

日中、家の中にいる父が、部屋の掃除をしていてうっかり置いたのだろうと思うことにしていましたが、「どうしてそんな場所にそんなものを置くのか?」と、首を傾げることばかりです。今思うと、私も母も父の様子がおかしいことをどこか受け入れたくなかったのだと思います。

関連記事: