「防災士」ってどういう資格? 取得のメリットや活用方法を解説


写真:PIXTA

日本には気象災害・地震・津波・噴火など、さまざまな災害のリスクがあります。

毎年のように大きな災害が発生して被害が出ていることもあり、高い防災意識を持って備えているという方も多いでしょう。

また、防災への意識が高まる中で「防災の専門的な知識を持ちたい」「関連する資格を取得したい」という方もいるかもしれません。

防災関連の資格の一つに「防災士」があります。防災士はどのような資格なのでしょうか。今回は、防災士の資格の概要や取得することのメリット、活用方法などを紹介します。

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防災士とは?

防災士とは、防災に対する知識や技能を持つ人に付与される民間資格です。資格取得を推奨している自治体や企業もあります。

防災士の資格を付与している日本防災士機構では、自助・共助・協働を原則として、社会のさまざまな場で防災力を高める活動を進めるための十分な意識と一定の知識・技能を習得した人を防災士と定義しています。

日本防災士機構は1995年の阪神・淡路大震災の教訓を伝えて、市民たちの防災への取り組みを推進するために2002年に創設されました。防災士の養成研修や資格取得試験は2003年からスタートしました。災害が多発していることから関心が高まり、受験者が急増しています。


引用:日本防災士機構「防災士認証登録者の推移」

2023年11月末日時点の防災士数は269,511人で、近年では女性防災士も増えています。

防災士資格の活用方法

防災士資格はどのように活用できるのでしょうか。防災士資格の活用方法を紹介します。

防災士は就職に有利な資格ではない

防災士は就職で有利になる資格ではありません。仮に防災関連の仕事に就職や転職をしたいという理由で防災士を取得しても、資格で採用が決まることや資格手当が出るようなことはないでしょう。

ただし、仕事によっては防災士という肩書があることで信用度が高まったり、企業の防災担当に抜擢されるようなケースがあります。あくまでも、暮らしに役立つ資格の一つであると認識した上で資格の取得を検討しましょう。

地域・企業の防災で活用できる

防災士の資格は地域・企業の防災活動において活用できます。災害発生時は、行政機関自体も被災して対応に追われるケースがあるため、適切な避難の指示が受けられなかったり、救助や対応が遅れたりすることもあります。

このような場合に、企業や地域の防災リーダーとしての活躍が期待されるのが防災士です。災害が起こった際、適切に行動を取れるように指示を出したり、避難経路の確保を行ったりします。

また、平常時においても、地域の防災リーダーとして、企業や地域の人々に防災の啓発を行い、自分が所属するコミュニティの防災意識を高めていくことも役割の一つです。

中には防災士が主体となって防災訓練や防災教育を行っている企業や地域もあります。

防災士資格の取得で得られる知識

防災士資格を取得する過程で防災士養成研修を受けるため、研修を通して家庭や地域での防災について幅広い知識を習得することができます。

また、地震や津波、気象災害のメカニズム、備蓄や住宅の耐震化、ハザードマップの使い方などの知識も得られるでしょう。日常で防災について学ぶ機会が少ない方にとって、資格取得を通して幅広い知識を得られることが大きなメリットです。

「防災について知りたい」「防災の基礎知識を習得したい」という方には防災士資格の取得をおすすめします。

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