●遊びを通して“答え”を見つけようとしないこと
しみずさんは「子どもとの遊び方に戸惑ったとしても、子どもの楽しそうな様子を素直に受け止めることを意識するといい」と話します。
「一般的な傾向でいうと、今のママ世代は公園が減り、外遊びの機会も少なくなった時代に幼少期を過ごしたと思います。そうすると、お母さんたち自身が“自由にのびのび遊んだ”という実感がない。そのため、特に熱心なママだと、理性的に『子どもにとって遊びは大事です』『遊びによって社会性が育まれます』と“遊びの効能”についてよく知っていても、感情や感覚の部分で楽しさを受け止めることが苦手です。まずは、子どもの発想を理屈抜きに面白がってあげることが大切だと思います」(しみずさん、以下同)
子どもは大人の常識に染まってないため、発想がすごく突飛だったり、ハッとするものがあったりするもの。それを純粋に面白がることが、子どもと遊ぶうえで大切になるそう。
「子どもにとっては、世間一般から見て正解か不正解かというより、自分のやったこと、考えたことが認められることが大事。大人は正しい知識とか常識は伝えられますが、教えられる場面があんまり頻繁だと、子どもにとっては、何をするにしても『どこかに何か答えがあるんだろうな』という感覚になってしまうかもしれません」
●子どもの発想を認めてあげることが大事
子どもの育ち方に絶対はありませんが、大人がどう関わるかによって、子どもが持つ可能性を引き出すチャンスを逸してしまうことがあるとしみずさん。
「たとえば、子どもがお日様を青く塗っていたとします。そんな時になんとなく大人としては、『お日様は赤だよ』って言いたくなると思うんです。それは、世の中一般のことをちゃんと教えないと将来、この子が困るんじゃないかと考えるからでしょう。
ただ、そんなときは子どもの思いも大事にして、まずは認める。『そうなんだ、お日様、青く描いたんだ。青が良かったんだね』って。1歳から2歳ならそれでいいですし、もっと年齢が上がってきたら『なんで青く塗ったの?』って聞いてあげると、思いもつかなかった返事があって発見があるはずです」
子どもと遊ぶときには、自由な発想をまず尊重し、その上で何か付け加えたいことがあれば付け加えることがポイントのようです。でも、その際には“大人のモノサシ”の押し付けにならないように気を付けましょう。
(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)