たんぱく質豊富で低カロリーな「お麩」
日本食の歴史の中で古くから食べられている「お麩」。皆さんは普段どうやって食べることが多いでしょうか?お味噌汁に入れる以外に思いつかない方も多いかもしれません。
「車麩」や「油麩」「手毬麩」など、地方によってさまざまな見た目や作り方の「お麩」があり、たんぱく質が豊富で低カロリー、さっぱりとした味わいなどの特徴があり、近年ダイエット食品としても注目されています。
中でも「焼き麩」は乾物で日持ちがして安価、防災を意識したストック食材としても優秀です。今回はこの「焼き麩」を使って、ボリュームがありメインのおかずにもなる3品をご紹介します!
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焼き麩の歴史
お麩はグルテンに小麦粉を混ぜて形成した食べ物です。
元々は中国から伝わった高級食品でしたが、精進料理における貴重なたんぱく源として重宝され、江戸時代には一般庶民にも広がりました。
小麦粉を練って水で洗い、残った粘り気であるでんぷんに餅粉を混ぜ、蒸したりゆでたりした「生麩」から、でんぷんに小麦粉を混ぜて焼き上げることで長期保存を可能にした「焼き麩」や「油麩」といった種類が生まれ、今では、汁物に入れるのはもちろん、各地方で、いため物やすきやきなど様々な食べ方がされています。
「焼き麩」の基本的な使い方は、水に戻してしっかりとしぼってから味や水分を含ませていきます。戻し時間は10分程度です。
味噌汁や鍋の具にするなら、乾燥したまま汁に加えてしまってもOKです。
ただし、沸騰していたり、とろみがあったりするものにそのまま加えると硬くなることがあるので、そういう場合には戻してから使うようにしましょう。
焼き麩自体にはほとんど味がなく、水分や調味料をたっぷり吸い込むので、卵液や出し汁にひたしてからいためたり、味がしっかりとついた煮物に加えたりする使い方が向いています。
お麩グラタン
フライパン1枚で作れる簡単グラタンです。
材料(4人分):
オリーブオイル 大さじ2
パン粉 大さじ5
バター 20g
タマネギ 1/2個
小麦粉 大さじ3
牛乳700ml
冷凍シーフードミックス 200g
焼き麩 20g
冷凍ブロッコリー(ほうれん草やインゲンでもOK) 1/2袋
塩コショウ 各適量
ピザ用チーズ 40g
作り方:
① フライパンにオリーブオイルとパン粉を加えてよく混ぜてから火にかけ、きつね色に焼き色がつくまで混ぜながら加熱し、取り出しておく。
② タマネギは薄切りにする。
③ 焼き麩は牛乳200mlに浸して戻し、絞る。
④ パン粉をいためたフライパンにバターとタマネギを入れ、しんなりするまで中火でいためる。
⑤ 小麦粉を加えて焦がさないようによくまぜ、粉っぽさがなくなったら強火にして牛乳の残り(500ml)を少しずつ加えながら混ぜてのばしていく。
⑥ とろみが少しついてきたら冷凍シーフードミックス、焼き麩、冷凍ブロッコリーを加えて混ぜながら好みのとろみになるまで煮詰める。
⑦ 塩コショウで味を調え、ピザ用チーズといためたパン粉をトッピングし、蓋をして中火で3分ほど蒸し焼きにする
具材は好きなものでOK!
お麩を入れるとよりとろっとしたクリーミーなソースに仕上がります。
また、焼いたパン粉を表面にかけることで、フライパンだけでもオーブンで仕上げたようなグラタンの見た目&カリカリした食感を表現することができます!
具材はベーコンや鶏肉、ジャガイモなど好きなものを入れてもらってOKですが、必ずいためたりゆでたりして一度火を通すか、そのままでも食べられるもの(ツナやハムなど)を選ぶようにしましょう。
お麩と小松菜のお浸し
もう1品ほしい時に!パパっと作れる簡単副菜です。
材料(4人分):
焼き麩 20g
小松菜 1/2袋
A:水 400ml
A:和風だしの素(かりゅう) 少々
A:塩 小さじ1/4
A:しょうゆ 小さじ1
作り方:
① 焼き麩は水で戻してから絞る。
② 小松菜は4cm長さに切る。
③ フライパンか鍋にAを加えて中火で火にかけ、沸騰したら焼き麩と小松菜を加える。
④ 時々混ぜながら、小松菜がしんなりして火が通るまで煮る。
アレンジ次第で立派な1品に!
お好みで人参や大根、ひき肉、豚こま肉などを加えてもおいしいです。火が通りにくい具材は先にいためてからAの煮汁を加えて沸騰させる工程に進んでください。もやしや水菜など、細くて水分の多い野菜は、小松菜と同じタイミングで入れてOKです。
お麩ときのこの照り焼き
しっかりとした味付けと、ごまの風味でご飯がすすむ1品です。
材料(4人分):
ゴマ油 大さじ5〜6
きのこ(エリンギや椎茸がオススメ) 1パック
焼き麩 15g
片栗粉 適量
A:水 大さじ2
A:酒 大さじ1
A:砂糖 大さじ1
A:みりん 大さじ1
A:しょうゆ 大さじ1
A:和風だしの素(かりゅう) 少々
白いりゴマ 大さじ1
(お好みで) 青じそや万能ねぎ 少々
作り方:
① きのこは食べやすい大きさに薄切りにする。
② 焼き麩は水で戻してからしっかりと水気を絞り、キッチンペーパーで更に水分をふき取る。
③ フライパンにゴマ油大さじ3を中火で温め、きのこを並べる。
④ きのこの両面に焼き色がつくまで加熱し、一度バットなどに取り出す。
⑤ フライパンにゴマ油を大さじ2~3加えて再度中火にかけ、焼き麩に片栗粉をまぶして並べる。
⑥ 焼き麩の両面をさっと焼き、取り出して一度火を止め、キッチンペーパーで軽く油をふき取る。
⑦ フライパンにAを加え、沸騰したらお麩とキノコを戻して煮る。
⑧ 水分が減ってタレにとろみがついてきたら絡めて火を止める。
⑨ 器に盛り、白いりゴマ、お好みで千切りした青じそや小口切りの万能ねぎをトッピングする。
片栗粉をまぶすことがおいしさのポイント
片栗粉をまぶすことでしっかりと調味料がからみ、きのことの食感の違いも楽しめます。
ただし焦げ付きやすいので、お麩の加熱は短時間にしてくださいね。
まとめ
今回は焼き麩を使ったアレンジレシピをご紹介しました。戻すのも簡単な焼き麩は、もちもちした食感や水分を吸う特徴をいかしてボリュームのあるおかずにできます。
値段も手ごろなので、防災用の備蓄や時間の余裕がないとき向けにストックしておくと便利です。
<執筆者プロフィル>
露崎奈津子
料理講師・料理教室「なつやすみ」主宰。親子&キッズ講座やお魚をさばく講座、マンツーマンレッスンなどの対面レッスンを開催するほか、オンラインでは、オーダーメイドの献立立案&レシピ提供サービスも好評。
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配信: 防災ニッポン