●テレビを見て大笑いでは子の主体性は育たない
「子どもを賢くするための家庭習慣はたくさんありますが、そのなかでも一番大切なのは、家庭での空き時間の使い方です。親が歯を磨いているのを見て、子どもが自然と歯磨きを覚えるのと同じで、子どもは家庭での親の姿を見て育ちます。母親が家事が終わった後、何となくバラエティー番組を見て大笑いしていたら、子もそのように受動かつ惰性的に成長しますし、母親が主体性を持って読書をしたり、ピアノを弾いたり、植物を育てる姿を見ていれば、子どもも“空き時間は主体的に動くものなんだ”ととらえて同じように学ぶでしょう。この主体性こそが、賢くあるための大切な要素になると言えます」(松永氏 以下同)
●【賢い子が育つ家庭環境】
1.リビングにテレビがなくて本棚がある
2.リビングに地球儀や地図がある
3.親の問いかけが多い
4.山登りやキャンプなど、家族で“ナマ”の経験を共有する
5.母親が趣味を持ち、子育てから脱却する
「すぐに調べ物ができるリビング、子の想起力を養う親の問いかけ、五感や感受性を育てるナマの体験、自らが好奇心を持ち、学ぶ姿勢を見せる親…これらすべてが、子どもの賢さを促す家庭の特徴と言えます。著書のなかでは、もっと多くの特徴を挙げていますが、まずはできるところから始めてみて下さい」
何事にも好奇心旺盛なママの下で育った子どもは、「勉強しなさい!」など執拗な声かけがなくとも、主体的に学ぶ癖がつき、将来、AIの支配や社会の荒波に負けない賢さへとつながるという。
「楽器やダンス、お菓子作りやガーデンニングなど、何でもいいんです。お母さん自身が、興味のあることにドンドン挑戦してみて下さい。そんなお母さんのエネルギーが自然と子どもに伝播していくものなのです」
大人がスマホの検索やゲームにハマっていては、子どもにいい影響を与えることはできない。いささか耳が痛い話だが、わが子のためにも、今日からできることを少しずつ始めてみてはどうだろうか。
(取材・文/蓮池由美子)