「手はお膝」「壁ぺったん」は【不適切保育】なの?おばけ、鬼などを使うと【脅し】?賛否分かれる「望ましくない関わり」現場の捉え方

「手はお膝」「壁ぺったん」は【不適切保育】なの?おばけ、鬼などを使うと【脅し】?賛否分かれる「望ましくない関わり」現場の捉え方

「『望ましくない』と考えられる関わり」とは?

 保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」が、保育士の「こどもの人権擁護の観点から望ましくないと考えられるかかわり」の考え方に関する意識調査を実施し、その結果を発表しました。
調査は、2024年2月21日(水)~2月23日(金)の期間、保育士100人を対象にインターネット上で行われました。

 昨今ニュースなどで耳にする「不適切保育」という言葉。政府が示すガイドライン(令和5年5月)では、「不適切な保育」とは、『虐待等と疑われる事案』と捉えていますが、これに繋がる恐れのある行為として、こどもの人権擁護の観点から「『望ましくない』と考えられるかかわり」が概念化されています。

「子ねくとラボ」は、「前者においては、メディアの影響もあって社会全般的に認知されるようになりましたが、一方で後者は、保育士がその判断で分かれることがあり、子どもへの親しみのつもりであったり前後の流れの関係から、周囲が見過ごしてしまう場合も考えられます」といいます。

 現役の保育士は「望ましくない関わり」についてどのように考えているのでしょうか。


子どもに言うことを聞いてもらうために、強い言葉や脅し言葉(鬼、おばけ、など)を使うことは「こどもの人権擁護の観点から望ましくないと考えられるかかわり」に当たると思いますか?

「『望ましくない』と考えられるかかわり」保育士さんの考えは?

「子ねくとラボ」の調査によると、「子どもに言うことを聞いてもらうために、強い言葉や脅し言葉(鬼、おばけ、など)を使うことは『こどもの人権擁護の観点から望ましくないと考えられるかかわり』に当たると思いますか」という質問に対し、「はい」と回答した人が84%でした。

「子ども(乳児を除く)の意思を聞かずに抱っこして、子どもが望んでいない場所へ移動させることは、『こどもの人権擁護の観点から望ましくないと考えられるかかわり』に当たると思いますか。」という質問に対し、76%が「はい」と回答しました。

「はい」と回答した人は理由に、
「ただ恐怖感を抱かせるだけで、何の解決にもならないし、自分自身が幼少期に園の部屋に閉じ込められた記憶が残ってるから」
「無理やり行かせることはしたくありません。しかし、命の危険や保健衛生的に必要な場合は行います」
「状況によるが、子どもへの言葉がけもなく、気持ちを尊重しない行動は、不安や不信感を抱かせる」
などを挙げました。

「いいえ」と回答した人は理由に、
「危険を回避するためなら必要だと思う」
「周囲に危険が及ぶ場合は、安全確保が優先。 その他の場合は、子どもとの対話が優先。静かな環境は必要」
「危険行為から子どもの身を守る為、他人を傷つける行為をやめさせる為、パニックを落ち着かせる為など必要な理由があれば一概に望ましくないと言えない為」
などを挙げました。


指示で子どもを動かす(例:壁ぺったん、手はお膝、など)ことは「こどもの人権擁護の観点から望ましくないと考えられるかかわり」に当たると思いますか

関連記事: