ソメイヨシノはクローン? サクランボは本当に桜からできる?|今すぐ話したい桜トリビア

桜にまつわるトリビア

春の花として日常に深く浸透している桜ですが、「毒がある」「実が付きにくい」などの事実はご存じでしょうか?

桜にまつわるトリビアをご紹介します。

桜の実には毒がある

桜に限らず、バラ科サクラ属の植物の実や葉には「アミグダリン」という青酸配糖体の一種が含まれています。

体内で分解されると、非常に強い毒性を持つ「シアン化酵素」を発するのだそうです。

桜の実を過剰摂取した場合の症状は、頭痛・嘔吐・めまいなど。

症状が重篤な場合、死に至る可能性もあるそうですよ。

参考:「健康食品」の安全性・有効性情報|国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

桜は同じ種類の花粉を受粉できない

ソメイヨシノはたくさん目にしますが、実を見たことのある人は少ないのではないでしょうか?

これは、桜に「自家不和合性」という性質があるためです。

自家不和合性とは、同じ種の花粉を受粉できない性質のこと。

桜が実を付けるには、異なる品種の桜がそばに存在しないと不可能です。

ソメイヨシノしかないエリアでは受粉そのものが難しいため、実ができないというわけですね。

前項で「桜の実は危険」とお伝えしましたが、実際に実がなっているシーンに出くわすことは非常にまれです。

サクランボ栽培は難しい

街や公園で見かける桜にサクランボがなっているのを見かけることがないので、サクランボって本当に桜の実なの? と思う方も多いのではないでしょうか?

サクランボは実際に桜の実なのです。

そして、サクランボが実る桜は、いずれも海外原産です。

観賞用の桜とは異なりますが、「自家不和合性」である点は共通しています。

すなわちサクランボを栽培しようと思ったら、遺伝子の異なるサクランボを混ぜて植えなければならないということです。

サクランボによって相性の良し悪し・開花時期は異なるため、組み合わせを決めるのはかなり難しいそうですよ。

一人前の成木となるのに10年はかかるともいわれています。

家庭で栽培するなら、比較的育てやすいといわれるアメリカンチェリーがおすすめです。

「桜の香り」の正体は「クマリン」

春になると「桜の香り」を付けた商品がさまざま発売されますよね。

一般に「桜の香り」として認識されているのは、「クマリン」という成分です。

とはいえ桜の木の下に足を運んでも、桜の香りを感じることはありません。

「桜の香り」といわれるものについて、「桜というより桜餅では……」と感じる方も多いのではないでしょうか?

「桜の香り=桜餅の香り」というのは、ある意味正解です。

クマリンは、桜の葉を塩漬けにしたり乾燥させたりしないと生成されません。

桜餅に付いている桜の葉が、すなわちクマリンの香りなのです。

クマリンには抗酸化作用や抗菌効果・リラックス効果があるといわれています。

桜の季節には、桜を眺めながらのんびりと桜餅を頬張ってみてはいかがでしょうか。

参考:「桜味」の正体は? | 食 Do!|日本成人病予防協会

「日本三大桜」「日本五大桜」をチェック

日本各地には、素晴らしい桜がたくさん存在します。

ここからは、日本三大桜・日本五大桜をご紹介します。

日本三大桜

まずは、日本三大桜に数えられる桜を見ていきましょう。

▼山高神代桜(山梨県)

山高神代桜(やまたかじんだいざくら)は山梨県北杜市武川町山高の実相寺にある桜です。

エドヒガンの老木で、推定樹齢は2,000年といわれています。

樹高10.3m、幹回11.8mあり、大正時代に国の天然記念物に指定されました。

▼根尾谷薄墨桜(岐阜県)

根尾谷薄墨桜(ねおだにうすずみざくら)は岐阜県本巣市の根尾谷・淡墨公園にある桜です。

「継体天皇お手植えの桜」といわれており、樹齢は1500年以上。

樹高17.3m、幹回9.4mの大木で、国の天然記念物に指定されています。

▼三春滝桜(福島県)

三春滝桜(みはるたきざくら)は福島県田村郡三春町にある、エドヒガン系のシダレザクラです。

樹高13.5m、枝張り(南側)4.5mで、流れ落ちるように花が付きます。

1922年、桜の木として初めて国の天然記念物に指定されました。

日本五大桜

日本三大桜に二種類の桜をプラスしたものが日本五大桜です。

▼石戸蒲桜(埼玉県)

石戸蒲桜(いしとかばざくら)は埼玉県北本市石戸宿の東光寺にある、樹齢約800年の桜です。

植物学上では「カバザクラ」ですが、エドヒガンザクラとヤマザクラの自然雑種だといわれています。

三春滝桜と時を同じくして、1922年に国の天然記念物に指定されました。

狩宿の下馬桜(静岡県)

狩宿の下馬桜(かりやどのげばざくら)は静岡県富士宮市にある、樹齢約800年以上のヤマザクラです。

源頼朝が馬をつないだという言い伝えがあり、「駒止の桜」とも呼ばれます。

1952年に国の天然記念物に指定されました。

まとめ

古来、桜の美しさやはかなさを楽しんできた日本人。
現代になっても、桜は日本人にとって特別な花です。
近くに桜スポットがある方は、ぜひ家族でお花見に出掛けてみてください。

きれいに咲き誇る桜の姿を目にすれば、春の美しさ・素晴らしさを実感できます!

文/カワサキカオリ

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