3、借金せず入院費が支払えないと治療を拒否される事はある?
入院を必要とする重い病気やケガをしてしまったときには、さまざまなことに強い不安を感じてしまうことも多いと思います。
たとえば、「入院費を滞納したら病院を追い出されるのではないか」、「入院費を債務整理したら今後の治療を拒否されるのではないか」といったことを考える人もいるかもしれません。
しかし、病院(医療機関)は、法律や監督官庁による厳しい規制があるため、治療費の不払いを原因に、治療・診療を拒否することはできません。
医療機関による診療拒否は患者の生命身体に大きな悪影響を与えることになるからです。
たとえば、医師法は、医師が診療を拒否するためには、「正当な事由」がなければいけないことを定めています(医師法19条)。
また、厚生労働省の通達においては、次のようなケースでの診療拒否は、「医師法19条が定める「正当な事由に該当しないので認められない」とされています。
医業報酬が不払いである(ことだけを理由とする診療拒否)
診療時間外における急施を要する患者(いわゆる急患)の診療拒否
天候の不良(事実上往診の不可能な場合を除く)
【参考】「病院診療所の診療に関する件」(厚生労働省ウェブサイト)
まとめ
突然、大きな病気やケガになり長期間の入院や、大がかりな手術が必要になったときには、入院費用・手術費用の支払いに不安を感じることも多いでしょう。
特に、長期入院は、家計を直撃することも多く、多額の借金を抱え込む原因になることも少なくありません。
しかし、病院への支払い(入院費)などについては、公的制度による救済(支援)があり、また、病院自体も柔軟に対応してくれることが少なくありません。
その意味では、「入院費が支払えない」とあわてて、カードローンのような高利の借金で工面をすることは危険といえます。
大きな病気をした後は、収入が回復するまでに時間がかかる(収入を回復させること自体が難しい)ケースも珍しくないからです。
万が一、入院(病気・ケガ)が原因で、多額の借金を抱えてしまった場合や、すでに抱えていた借金を返済できなくなった場合には、できるだけ早く弁護士などに相談することが重要です。
借金問題に詳しい弁護士であれば、それぞれのケースに応じた最善の解決方法を選択することができるからです。
最近では、無料相談に対応している弁護士事務所だけでなく、事務所に訪れることの難しい人の場合には出張相談に応じてくれる事務所も増えていますので、まずは気軽に問い合わせしてみるとよいでしょう。
監修者:萩原 達也弁護士
ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。
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