「放っておくと身内が次々と不幸に陥る」2歳の息子が原因不明の微熱……お坊さんの驚きの言葉とは?

先生は慌てて「心臓が止まった」と……

 間もなく宮子さんの意識は戻った。救急車を呼んだが、コロナの影響で受け入れてくれる病院が見つからない。ようやく見つかったものの、診てもらえたのは倒れてから3時間もたっていたという。

 しかし、検査をしても異常は見つからなかった。医師から説明を受けていたとき、宮子さんの付けている心電図計からピー! という警告音が鳴った。3回目の発作を起こしたのだ。

「先生は慌てて『心臓が止まった』と、処置しようとしたとき母は息を吹き返しました。すぐに専門病院につないでもらうことができました」

 搬送された病院で、宮子さんはペースメーカーを付けてもらうことができた。計器を付けた状況で発作を起こしたので、データが取れたことも奏功したのだという。宮子さんは数日入院したあと、再び日常生活を送れるほどに回復した。今は家事もしてくれて、北野さんを支える存在となっている。

「当初、先生は様子を見るようにと自宅に帰すつもりだったそうです。病院で機器を付けていたときに発作が起きていなかったら、もう間に合わなかったと言われました。そもそも診察まで3時間もかかっていなければ、とっくに自宅に戻っていたでしょう。あのタイミングで発作を起こしたのは偶然とはいえ、母は生かされたのだと思います」

 美代子さんが重篤な体になるのと引き換えのように、宮子さんは奇跡的に命を長らえた。美代子さんの念が母を守ってくれたと思う。

「それだけではありません。妻も転倒して頭を強く打ったときに亡くなっていてもおかしくなかった。ご先祖さや神さまに守られて、妻も、母も、そして私も生かされているんだと思います」

 美代子さんの最後の言葉も奇跡だ。

「あのときから、長い入院と施設での生活がはじまりました。もうあの言葉以上の会話をすることはないと思っています。それでも、これまでの奇跡を思うと、もしかするとまた奇跡が起こるかもしれないと希望は持っています」

 「神さまやご先祖さまのおかげ」と北野さんが繰り返すのも納得できる、一連のできごとだった。

 美代子さんが若くして認知症を発症してから、息をつく間もないほどの日々を過ごしてきた北野さんだから、よりそんな思いが強いのかもしれない。が、“神さま”や“奇跡”を容易に信じられない人――特に男性は少なくない。

 北野さんはなぜすんなりとそうした考え方が受け入れられるのか、不思議にも思える。

「七人殺しの神さまに障っている」お坊さんに言われた言葉

 神さまの存在を体感するできごとがあったのですか? と聞いてみた。すると「科学の力が占める現在、神さまを信じる人ってどれくらいいるのでしょうね。たぶん、当事者でない方には信じられないと思いますが」と前置きをして、こんな体験を話してくれた。

 北野さんの息子が2歳くらいのころ、1週間あまり微熱が続いた。

「食事も摂らず、ぐずり続けていました。特に私と父には近づこうとせず、こちらから近づくと逃げるんです。病院に行っても原因はわかりません。私たちが困っているのを聞いた伯母が電話をくれました。息子のことも良く知っているあるお坊さんに息子のことを聞いてみると、すぐに来るようにとおっしゃっているというのです」

 すぐに北野さんと父親がそのお坊さんを訪ねると、お坊さんは北野さんに「家の庭の2か所に汚いものをつくっていないか」と聞いた。

「私はその場所に、犬小屋と焼却炉をつくっていました。父は、敷地内の鬼門に植わっていたイチジクを別の場所に移植していました。どの家でも敷地にはいろいろな神さまがおられます。ところが、私も父もお許しなく神さまがおられるところを弄ったのです。お坊さまは、『放っておくと身内が次々と不幸に陥る七人殺しの神さまに障っている』と言われました」

 七人殺しの神さまの障り!?

――次回は4月14日公開

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サイゾーウーマン
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料理や収納など暮らしに関する情報や、芸能、海外ゴシップの最新ニュースを連日発信中。ほかにも、皇室や女子刑務所のウラ話、万引きGメンの現場レポなど、個性豊かなコラムも展開。ほかとは異なる切り口で、女性の好奇心を刺激する記事をお届けします。
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