小学校には6学年にわたる子どもたちが集まり、毎日長い時間をどもに過ごします。人が集まれば人間関係のトラブルは必然的に起こるもので……。
子どもが小学生になって発生する不安について、子育てアドバイザーの高祖常子さんの著書『どう乗り越える? 小学生の壁』(風鳴舎)を参考に考える本連載。
第三回目の今回は、
✅ 上級生、先生とのトラブル
についてお伝えします。
Q 上級生、先生に子どもが怒鳴られた!?
※画像はイメージです
■ 体験談と対処法
✅ 上級生に怒鳴られて
上級生(2年生)に怒鳴られたことがあり、「先生に言うのですよ」と伝えたが、旦那が深刻に受け止め学校の担任に手紙を書いた。担任もしっかり受け止め対応してくれたが、私はそれくらいどうってこと無いと受け止めたため、どこまで伝えるべきか判断が難しいなと感じた。(くみみんさん)
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「担任に手紙→しっかり対応してくれ、怒鳴りつけた相手(わが子)に謝ってもらう。本人は安心したようです。」
✅ 校長先生が叱責
校長先生が悪いことをした生徒を校長室で叱責する人で、わが子が小4のときに着任以降、卒業まで落ち着かなかった。(エモリさん)
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「担任と丁寧な面談を重ねた。スクールカウンセラーや自治体の教育委員会の心理面談にも通った。」
体験談は上級生と校長先生ですが、担任の先生から叱責されるということもあります。くみみんさんの場合、上級生から怒鳴られたことを担任の先生に手紙で伝えたとのこと。もちろん内容や状況にもよりますが、担任の先生はクラス全員をみなくてはならないので、すべてを把握するのは無理なことです。まずは対処してもらうということの前に、事実として伝えておくということは必要です。
伝え方としては、くみみんさんのパートナーのように、手紙で伝えるというのもひとつの方法でしょう。口頭で伝えるよりも、整理しやすくなります。ただ、書いたものは残りますから、事実や、子どもの気持ちや状況、対処についての希望など書き出したうえで、感情的な表現になっていないかを確認することが大切です。
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「怒鳴られた」といっても、とても繊細な子は、大きな声を出されただけでそう思うように、感じ方は子どもによってそれぞれ異なるということを知っておきましょう。
また、上級生や教師、校長先生に叱責された、怒鳴られたというときに「あなたが悪いから、怒鳴られても仕方ない」といった声がけは避けましょう。もし子ども自身が悪いことをした場合には、十分に反省しているでしょうから、さらに親が叱責することは不要です。なぜそのような言動をしたのか、どうしたらよかったのかを子どもに聞いて話してみるようにしましょう。
エモリさんの体験談の校長先生がどのような人だったのかはわかりませんが、そもそも校長室に呼び出すというのは、子どもにとってとても重い行為です。度重なるようなら、そこまで何か問題があるのか、ほかに解決方法はないのかを親も一緒に考えてみてはどうかと思います。同じことで何度も呼び出して叱るのは、校長先生にも負担がかかるでしょうし、子どもが成長できていると思えません。さらに子どもが委縮してしまう可能性もあります。
校長先生が聞き入れてくれない場合は、教頭先生から助言してもらえないかまず相談してみましょう。それでも改善されない場合は、教育委員会に伝えて、校長に申し入れてもらうようにしましょう。
担任の先生との面談はもちろん、スクールカウンセラーや教育委員会の心理面談にも通ったとのことで、メンタルにも影響があったのかもしれませんね。お子さん自身の特性的なこともあったのかもしれません。もちろん子ども自身が学校で自分の気持ちを伝えたり、コミュニケーションを取っていくことは大事ですが、先生や校長先生、上級生などとの関係がうまくいかなくて困っているようなら、エモリさんのように、親が状況整理に動くことも必要でしょう。
そして、そのように親が動いてくれたことを、子どもは見ています。親は自分の味方なんだという思いを強くし、子ども自身、どのようにしていくべきなのかを考えるきっかけになったり、成長にもつながっていくことでしょう。
配信: マイナビ子育て