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石川県の能登半島地震や千葉県で頻発している地震など、日本各地で地震活動が活発になっています。また、今後、南海トラフ地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震も予想されています。
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地震は完全に予測することができない現象ですが、日々どのエリアでどのぐらいの規模の地震が発生しているかについては、気象庁が提供している震央分布図で把握できます。
地震が頻発しているときだからこそ、どこで地震が発生しているか関心を持ってみてはいかがでしょうか?
この記事では、震央分布図の見方や活用のポイント、注意点を紹介します。
震央分布図とは
「震央分布図」とは、一定期間に発生した地震のうち、震源が分かっている地震の震央を地図上に丸記号で表示した図です。
「震央」とは地震が発生した場所の真上を指し、震央と混同されやすい言葉に「震源」があります。震源は地球内部の岩石(プレート)の破壊が開始した地点で、震源の真上にあたる地表の地点が震央となります。
なお、震央分布図では南海トラフや相模トラフ、駿河トラフ、太平洋プレートなども確認できます。
引用:気象庁「震央分布図」
震央分布図の特徴
震央分布図の特徴は、地震の活発度がひと目でわかることです。
例えば、上の震央分布図は、「2024年3月4日20時00分~3月5日19時49分」までに発生した地震を示しています。
震央分布図を見ると、石川県や東北の太平洋側でたくさんの地震が発生していることがわかります。一方、山形県や岡山県、鳥取県などでは地震が観測されておらず、地震活動が活発でなかったこともわかります。
震央分布図の見方
ここでは、震央分布図の見方を紹介します。
震央分布図の見方
引用:気象庁「震央分布図」
震央分布図をチェックする際のポイントは、「丸の大きさ」と「丸の色」の2つです。
丸の大きさはマグニチュードの大きさを示しており、丸が大きいほど地震の規模が大きくなります。なお、凡例で「一番小さな丸には1」「一番大きな丸には7」と記載されていますが、これは「マグニチュード1」「マグニチュード7」という意味です。
丸の色は震源の深さを示しています。凡例には色ごとに数字が記載されていますが、この数字は震源の深さをkmで表しています。
例えば、千葉県の地震では黄色やオレンジの丸が目立っていますが、震源の深さが20km~50kmであることがわかります。一方、石川県の能登半島では赤色の丸が目立っており、震源の深さが0km~20kmと浅いことがわかります。
このように、震央分布図では丸の大きさと色から大まかな震源の深さと地震の規模が把握できるようになっています。
活断層表示
引用:気象庁「震央分布図」
震央分布図では図の左上にある「活断層表示」にチェックを入れると、「地震調査研究推進本部による活断層の長期評価の結果」に基づいた地震をもたらす可能性のある活断層を表示することができます。
なお、断層の色は以下のように区別されています。
・赤色(Sランク):30年以内の地震発生確率が3%以上
・黄色(Aランク):30年以内の地震発生確率が0.1%~3%
・肌色(Zランク):30年以内の地震発生確率が0.1%未満
・灰色(Xランク):地震発生確率が不明
例えば、愛媛県には中央構造線と呼ばれる活断層がありますが、愛媛県の西側で震源の深さ30~50kmの地震がやや多く発生していることがわかります。
このように活断層と震央分布図を照らし合わせることで、地震活動がリアルタイムに活発になっている活断層を把握することも可能です。
なお、首都直下地震は関東の活断層でも発生することが予想されています。関東の活断層としては、三浦半島断層群や塩沢断層帯などが挙げられます。ただし、首都直下型地震はプレート内でも発生が予想されており、必ずしも活断層が原因で起こるとは限りません。
活火山表示
震央分布図では図の左上にある「活火山表示」にチェックを入れると、活火山が三角で表記されます。
火山が噴火する前や火山活動が活発化すると地震が増えるケースも多いため、震央分布図をチェックし、活火山の周辺で急に地震が増えている場合は、周辺に近づくことを避けたり、火山情報を細かくチェックしたりするなどの事前対応ができます。
過去の地震
震央分布図は過去1週間までさかのぼって調べることができます。また、それより過去の地震も気象庁の震源リストでチェックできます。
引用:気象庁「震央分布図 (2024年3月1日の震源リスト)」
過去の震源リストをチェックすることで、「大きな地震が発生した前後に、周辺でどのような地震が発生していたか」「余震が減っているのか、増えているのか」などを把握することもできます。
配信: 防災ニッポン