「ちょっとなら平気…」がもたらす悲劇。丸ごと飲み込んだのは…!|事例からみる子どもの誤飲事故

子どもが誤飲してしまったら? すぐに実行すべき応急処置

子どもが誤飲してしまったら、状況に合わせた対応が必要です。

必要な応急処置について、状況別に見ていきましょう。

窒息につながる誤飲の場合

子どもが窒息状態になると5分以内に呼吸が止まり、15分で脳死状態となることがあるそうです。

異物が喉に詰まったときはすぐに救急車を呼び、原因となったものを吐き出させましょう。

応急処置には、以下の方法があります。

背部叩打法:手のひらで子どものあごを抑え、背中を強くたたく(5~6回が1セット)

胸部突き上げ法:片手で子どもの体を支え、心肺蘇生法と同じやり方で胸部を圧迫する(5~6回が1セット)

腹部突き上げ法:子ども背後から両腕を回し、片方の手を握りこぶしにして子どものみぞおちに当てる。両手で腹部を上に圧迫する(1歳以上)

消防署や日本赤十字社では、もしものときのための講習会を行っています。

窒息の対処法について詳しく知りたい方は、参加してみるのもおすすめです。

参考:「えっ?そんな小さいもので?」子供の窒息事故を防ぐ! | 政府広報オンライン

また、東京消防庁では窒息時の応急処置方法を動画で公開していますので、合わせてチェックしてみてください。

上記の他、以下から小児や成人に有効な方法も動画で見れますのでこちらもチェックしてみてください。

窒息の応急手当(東京消防庁)

タバコの誤飲

タバコを誤飲してしまった場合は、すぐに口の中からタバコをぬぐい取ってください。

このとき注意したいのは、水を飲ませないこと。

タバコのニコチンが溶け出し、被害が深刻化する恐れがあります。

誤飲が少量であれば、慌てる必要はありません。

1日経っても顔色や呼吸に変化がなければ、大丈夫だと判断できます。

どうしても不安でモヤモヤしてしまう場合は、病院に相談しましょう。

一方タバコを1/4以上食べた・タバコを浸した水を飲んだなどのケースでは、早急な胃洗浄が必要となります。

ためらわず、早急に医療機関に足を運んで下さいね。

参考:一般社団法人 加古川医師会 | タバコの誤飲

医薬品

医薬品を誤飲した場合、「何を飲み込んだか」の特定が重要になります。

医療機関を受診する際は、同じものを持参してください。

誤飲した医薬品によっては受診が不要なものもありますが、素人による判断は危険です。

医薬品を手元に準備したうえで、医療機関や子ども医療電話の判断を仰いでください。

小児救急電話相談:#8000

参考:Vol.561 家庭内での医薬品や洗剤の誤飲を防止しましょう! | 消費者庁

参考:子ども医療電話相談事業(♯8000)について

ボタン電池

ボタン電池が長時間体内に残った場合、食道や胃に穴が開く恐れがあります。

電池の種類を確認し、急いで医療機関を受診しましょう。

大切なのは「飲んだかどうか分からない」場合でも放置しないことです。

誤飲したかどうかは、レントゲンを撮ればすぐに分かります。

少しでも誤飲の可能性があると思われるときは、迷わず病院に向かいましょう。

参考:乳幼児(特に1歳以下)のボタン電池の誤飲に注意!|国民生活センター

子どもの誤飲事故を防ぐために必要なこと

子どもの誤飲・窒息のリスクを低減するには、正しい食べ方を実践すること・危険の少ない環境を作ることが必要です。

家庭でできる誤飲事故対策をご紹介します。

正しい食べ方を実践する

子どもが食べ物を喉に詰まらせるときは、食べ方や食べ物の処理方法に問題があることが少なくありません。

正しい食べ方を意識するだけで、誤飲・窒息のリスクは減らせます。

子どもが落ち着いた状態・座った状態で食べさせる
食べ物を小さく刻む
食べる前に水分を含ませて喉を潤す
飲み込んだのを確認してから次の一口を与える

子どもの食べ方には個性があり、早食いだったり食べ物を口に詰め込んだりする子どももいます。

落ち着いて食べられるよう保護者がペースを調整してあげることが大切です。

参考:〜食品による窒息 子どもを守るためにできること〜|日本小児科学会 こどもの生活環境改善委員会

誤飲しにくい環境を作る

食べてよいもの・悪いものの区別が付かない小さな子どもがいるご家庭は、子どもの周囲にものを置かないことが大切です。

子供の手が届く範囲は、「手の届く範囲と台の高さを足した長さ」といわれています。

年齢別では、以下が「子どもの手が届く範囲」の目安です。

1歳児:約90cm
2歳児:約110cm
3歳児:約120cm

例えば1歳児の場合は、90cm四方にものを置かないことが必要となります。

参考:「えっ?そんな小さいもので?」子供の窒息事故を防ぐ! | 政府広報オンライン

▼心配なご家庭は「誤飲チェッカー」の準備を!

子どもの口の大きさは、3歳児で直径約4cm(トイレットペーパーの芯の直径ぐらい)といわれています。

すなわち直径約4cmよりも小さなものは、子どもが口に入れてしまう可能性があるということ。

どのようなものであれ、子どもの周囲に置くのは好ましくありません。

誤飲リスクがあるものについて判断に迷うご家庭は、「誤飲チェッカー」を使ってみましょう。

誤飲チェッカーとは、誤飲や窒息を予防するために作られた道具です。サイズは乳幼児の口腔を計測して作られており、誤飲しそうなものを簡単にチェックできます。

誤飲リスクを測りたいときは、チェッカーの中に対象物を入れるだけ。

円筒のチェッカーに収まるものは、子どもの誤飲リスクがあると判断できます。

もちろん、誤飲チェッカーは目安ですので、日ごろから誤飲防止の対策は行っていきましょう。

参考:子どもの事故防止教材 「誤飲チェッカー」「誤飲防止ルーラー」 | 一般社団法人 日本家族計画協会

まとめ

小さな子どもは、食べ物とそうではないものの区別が付きません。
気管の機能が未発達なため吸い込んだものを吐き出す力も弱く、窒息のリスクが高いのが実情です。
誤飲や窒息のリスクを減らすには、周囲の大人が気を付けることが必須となります。

特にタバコやボタン電池などは、誤飲によって死に至る可能性もある危険物です。
「子どものそばには置かない」を徹底しましょう。

文/カワサキカオリ

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