歴史エッセイスト・堀江宏樹氏が今期のNHK朝のテレビ小説『虎と翼』を歴史的に解説します。
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男子生徒との軋轢
NHKの新朝ドラ『寅と翼』も、放送第3週に入り、なかなかおもしろくなってきましたね。当初はエキセントリックな印象が強かったヒロイン・寅子も仲間たちと切磋琢磨する中で、ずいぶんとヒロインらしくなってきました。ああいう熱血型のヒロインもいいですよね。
しかし残念ながら、寅子たちが明律大学女子部で法律を学びはじめてから、明律大学の男子生徒たちとの軋轢(あつれき)は激化する一方のようです。史実では、この点についてどうだったかが気になる読者の方もおられるでしょう。
先週には、寅子が女子部の生徒たちのことを「地獄」を共に行く仲間というような表現で呼ぶセリフがあって、筆者もギョッとさせられました。これは「女なのに」、「女のくせに」法律を学ぼうとするなんて……と、それだけで変わり者扱いされてしまった当時の日本社会の現実を痛いほど反映した言葉だと思います。
配信: サイゾーウーマン