朝ドラ『虎と翼』、ドラマで描かれない男子生徒とのトラブル! 寅子が激怒しそうな入学式「祝辞」とは? 

寅子が聞いたら激怒しそうな「祝辞」

 ちなみにドラマによく出てくる法廷劇なども、社会への明大女子部の活動報告の一貫として、そして新入生勧誘のためなどに行っていたようですし、女生徒が運営した弁論大会なども行い、満員を記録しています。

 ただ、世間的には女性が男性同様に専門課程を学ぶということに、アレルギーじみた拒否感を示されることはよくあったと考えられます。

 戦前日本では、文部省(当時)の基本方針が明確に「女性の高等教育推進に反対」という立場でしたからね。もちろん、文部省もこの問題については、各大学の判断に委ねる姿勢を見せてはいましたが……。

 それゆえ、明大女子部でも最初の入学式の際に読まれた「祝辞」でさえ、「女性が社会で活躍するためには高等教育が不可欠だ」という今日から見ても「まっとう」な意見が半分程度。

 それだけでは文部省からクレームが入ることを恐れたのか、「家庭内で(男女平等の)権利の主張をやられては困る。ただし、家庭にいても、法律や経済がわからないのでは、夫の話が理解できない」とする藤田謙一(答辞、東京商工会議所会頭)のような主張が挟まれていたこともわかっています(前掲書~「通史――明治大学専門部女子部 創設の頃~1930」)。

 寅子が聞いたら「それで祝辞のつもりなの!?」と激怒しそうな内容ですが……。

朝ドラにもしばしば出てくる戦前日本の「女子高等教育」ですが、それが「ふつうのこと」になるまで、想像通り紆余曲折があったことがわかりますね。今後のドラマ内でどう描かれるか、興味深く見守りたいと思っています。

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サイゾーウーマン
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料理や収納など暮らしに関する情報や、芸能、海外ゴシップの最新ニュースを連日発信中。ほかにも、皇室や女子刑務所のウラ話、万引きGメンの現場レポなど、個性豊かなコラムも展開。ほかとは異なる切り口で、女性の好奇心を刺激する記事をお届けします。
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