4月に変わった赤ちゃんの定期予防接種「多種類の混合ワクチンは怖い」と感じるママパパに小児科医が伝えたいこと

4月に変わった赤ちゃんの定期予防接種「多種類の混合ワクチンは怖い」と感じるママパパに小児科医が伝えたいこと

予診票が届いたら早めに接種しましょう

現在、麻疹が話題ですが、MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)が逼迫しています。MRワクチンは日本国内の複数の製薬会社が生産していますが、このうち1社のワクチンが国内の承認規格基準を満たしておらず、回収されたためです。また海外から国内に感染を持ち込んだ例が相次いだために、MRワクチンを接種する人が急増したからでもあります。

じつはワクチンは、製薬会社が厚生労働省に事前届け出をした生産数(子供の数から計算)・出荷ペースで計画的に作られています。届け出通りにしなくてはならないので、急に生産数を増やしたり、出荷ペースを早めることは難しいのです。

ですから、何らかの感染症が流行し始めてから接種するのでは、速やかにワクチンを接種できない恐れがあります。定期予防接種の予診票が手元に届き、接種可能な年齢・月齢になったら、早めに接種しましょう。お子さんを感染症から守るためにも、また全員が接種するためにも大切なことです。

MRワクチンの接種時期は第一回が1歳代。そして第二回は小学校入学前の1年間 (6歳になる年度の4月〜3月までの間)です。しかし第二回のMRワクチンを3月末に駆け込み接種する人がとても多いと感じています。

「後にしよう」と置いておくと、なんでも忘れてしまいがちですよね。そして、3月末に受けようと思っていたら、熱が出て受けられなくなったという子もいます。定期予防接種を無償で接種できる期間には決まりがありますから、後で慌てないようにしましょう。

もしも予診票をなくした場合は、保健所に連絡すれば再発行してくれます。なんらかの理由で標準的な接種時期を逃した場合も、一部が自費になるかもしれませんが、キャッチアップ接種することはできますから、ぜひ保健所に相談してみてくださいね。


この記事の監修者小児科医森戸やすみ 先生

小児科専門医/どうかん山こどもクリニック院長。
一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都谷中のどうかん山こどもクリニック院長。医療者と非医療者の架け橋となる記事や本の発表に意欲的に取り組んでいる。『子育てはだいたいで大丈夫 小児科医ママが今伝えたいこと! 』(内外出版社)、『祖父母手帳』(日本文芸社)など著書、監修多数。

連載
◆PRESIDENT Online/小児科医と考える「日本を子育てしやすい国にする方法」
◆東京すくすく/森戸やすみのメディカルトーク
◆月刊誌・母の友(福音館書店)/子どもの健康Q&A

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この記事の執筆者編集者・ライター大西まお出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な担当書に、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。→記事一覧へ

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育児をしている共働き夫婦のためのメディア「マイナビ子育て」。「夫婦一緒に子育て」をコンセプトに、妊娠中から出産・産後・育休・保活・職場復帰、育児と仕事や家事の両立など、この時代ならではの不安や悩みに対して役立つ情報をお届けしています。
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