pecoさんが息子を叱るとき「すごくめんどうくさいお母さんかもしれない」自分を否定されたと感じないように【インタビューvol.4

pecoさんが息子を叱るとき「すごくめんどうくさいお母さんかもしれない」自分を否定されたと感じないように【インタビューvol.4

「僕がダメなんだ、と思ってほしくないから」

peco だから息子にとっても、家がいちばんリラックスできる場所になってほしいと思っているんです。いまは思っているだけで全然できていないし、「靴下脱がして」と言われても「自分で脱いで」と返しちゃいますけど(笑)。やっぱり、頭で思っていても、それを実行できるか否かには高い壁があると、日々思います。

ーー「こうしたい」と意識しているだけで全然違うと思います。息子さんは今年の夏で6歳に。インターナショナルスクールに通っているそうですが、学校ではどんな子なんでしょう。

peco 通知表に「お友達の喧嘩の仲裁に入っている」と書かれていたことがあって「えー! すごいやん!」と言うと、「そんなことやってないよ」と言っていました。知らず知らずにやっていたのかなと思うと、すごくうれしいですね。

ーー心根の優しい子なんですね。息子さんの尊敬するところはどんなところですか?

peco ほんとうに優しいところですね。私が失敗しても「まあいいんじゃない」といつも言ってくれるし、「いいじゃん、それくらい」を口癖のように言ってくれます。完全にryuchellの要素を受け継いでいると思います。

ーーpecoさんは、いろいろなことをポジティブ変換するのがうまいのではと思いました。そのひとつが、お子さまへの接し方です。

peco やっぱり自己肯定感を高く持ってほしいと思っています。怒るときは、「僕のことを否定されたんだ」と絶対に思ってほしくないから「あなたの行動を怒っているんだよ」ということを伝えるために、もうすっごくていねいに細かく言っています。逆に、すごくめんどうくさいお母さんかもしれないけど(笑)。

あと、たとえば約束の時間があるとき。家を出る前にゆっくりしていたら、ゆっくりしていることを怒るのではなく、「お約束だから、時間が決まっているから、間に合うように動かないといけないよ」と細かく言います。

絶対に「あなたのせいだ」にはしたくないんです。準備が遅くて見たいテレビが見られなかった。それは「あなたのせいだよ」ではなく、「あなたが早く準備をしなかったからだよね」と。

ーーなるほど。

peco 「僕がダメなんだ」と思ってほしくなくて、日々、気をつけています。

「いま、できないこと」ではなく「ここまで、できたこと」を見てほしい

ーーYouTube動画で、息子さんが寝坊したとき「いっぱい寝られたね」と声をかけている動画がありましたが、これは実践したいと思いました。

peco このときは私も起こせなかったから寝坊したわけだし、結果「いっぱい寝られた」というのは事実なので(笑)。いいことがあるなら、そこを言いたいんですよね。

たとえば、テストで100点満点中1点の回答用紙が返ってきても「1点取れたね!」と言いたいし、そういういいところに目を向けられる子になってほしいんです。

ディズニーランドでアトラクションに並んでいるときも、息子に「まだ? 早く乗りたい」と言われたら、「うしろを見て。こんなに進んだよ」と言うようにしていて。昨日も自転車で坂道を登っているときに「もう疲れた」と言っていたので「うしろを見て。こんなに登ってきたんだよ」と言いました。

ーーそれまでの道のりを見せる、とてもいいですね!

peco 「いま、できないこと」ではなく、「ここまで、できたこと」を見てほしいなと、いつも思っています。

ーー大人も心がけたい、すてきな言葉ですね。「自己肯定感」は昨今のキーワードとしてさまざまなメディアで見聞きしますが、pecoさんの幼少期を振り返り「自己肯定感が育まれた」と感じた出来事はありますか?

peco まず、一度も親に否定されたことがないです。テストで悪い点数を取っても否定されないし。あとはなにをするにしても「まあ、ええんちゃう?」といつも言ってくれたから、「これでいいんだ」と思えました。

ーー親になると「肯定したいけど、甘やかしたくはない」という葛藤が生まれることもあります。そこには大きな違いがあるかと思いますが、いかがでしょうか。

peco 私自身はとても甘やかされていたとは思います。でも、習っていたバレエを「辞めたい」と言ったときは「あんたがやるって言ったんやから、全部やり終えてから辞めなさい」とはっきり言われました。甘やかされるだけではない、ハッとする言葉をもらっていたとは思います。

ほかにも、私が「おしゃれできないから学校に行きたくない」と言ったときも「休むのはいいけど、ちゃんと自分で計算して、卒業できるようにしいや」と言われました。最終的にはいつも認めてくれるけど、その前に一度、私にゆだねて責任を持たせてくれたんだと思います。

ーーお母さんからpecoさんへ、pecoさんから息子さんへ、たいせつなことが脈々と受け継がれていく様子がうかがえます。最後に、これを読んでいるママやパパにメッセージをお願いします。

peco 私は「いつも穏やかでかわいいママになれたら」と思っていますが、今朝もいっぱい怒ってきました(笑)。そんなママでもぜんぜんだいじょうぶだと思います。一緒にがんばりましょう!

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