脳出血の治療
脳内出血の治療には、「内科的治療」と「外科的治療」があります。
内科的治療は薬物による治療で、出血が助長されないように、すぐに血圧を下げる「降圧剤」を投与します。また出血部位の周囲にむくみが認められる場合は、むくみを取る抗浮腫剤など、症状に合わせた薬の投与もおこないます。
出血が小さい場合には、自然に吸収・消失していくのを待ちます。
出血が大きく、生命の危険がある場合には外科的治療として手術(開頭術)による出血の除去をおこないます。出血の部位や状態によっては内視鏡を用いる場合もあります。
脳出血の後遺症
脳出血は出血時に脳が破壊されるため、出血が自然吸収されたり外科的に除去するだけでは、脳機能を回復させることは難しいと言えます。失われた脳機能を回復させるためには、できるだけ早くリハビリテーションをおこなうことが重要です。
しかし、脳出血の状態によってはリハビリテーションによる回復にも限界があり、脳出血の症状がそのまま残る形で後遺症になります。後遺症には、主に以下があります。
・運動障害:片方の手足のまひなど
・感覚障害:触覚や痛覚が鈍くなる場合と逆に過敏になりしびれを感じる場合がある
・目の障害:視野が狭くなる、物が二重に見えるなど
・構音障害:ろれつが回りにくくなる
・嚥下障害:食べ物を飲み込みにくくなる
上記の他に、新しいことを覚えられなくなったりする「記憶障害」や、注意力や集中力が低下する「注意障害」、感情のコントロールができない「感情障害」などの「高次脳機能障害」と呼ばれる症状が出る場合もあります。
高次脳機能障害は外見からはわかりにくいため、周囲から誤解を受け、日常生活に支障を来してしまうこともあります。
配信: 介護カレンダー