新生活がスタートした春。自炊に初めて挑戦している人も時期、あらためて「ご飯をおいしく食べる方法」を3回に分けて紹介します。第2回目は、ご飯の炊き方について。
ご飯の炊き方、基本の“キ”
ご飯をおいしく食べるために、あらためてお米の研ぎ方、炊き方についてポイントを押さえながら解説します。以下は炊飯器を使った場合の工程ですが、ほかのご飯鍋を使う際にももちろん応用ができます。
(1)お米を計る
計量カップを使って1合、すり切り1杯ずつを計ります。ちなみに1合はおよそ150g。炊き上がると普通の中茶碗2杯強の量になります。
(2) お米を研ぐ
次にお米を研ぎます。ポイントは、最初の水はサッと米の表面に付いたヌカやゴミを洗い流すだけにとどめて、すぐに捨てること。お米は水に触れた瞬間から水を吸い始めます。ヌカの匂いが付いた水を吸ってしまわないように、手早くサッとが大切です。
ちなみに、お米を研ぐ作業においてお米が一番吸う水は、この最初に触れる水なので、水道水ではなく、ミネラルウォーターや浄水器の水を使うのがおすすめ。全工程でミネラルウォーターを使うのはもったいないので、水にこだわりたい人は最初と最後(炊飯時)の水だけ変えればOKです。
お米を研ぐ動作といえば、手の平でギュッギュッと押さえつけるイメージを持つ人が多いかもしれませんが、最近の精米技術は進化しているのでその必要はありません。反対に米粒がひび割れて、うまみが出てしまう原因になりかねません。
卵を持つイメージで爪を立てて、グルグル20~30回程度かき混ぜましょう。ポイントは、水をためた状態でかき混ぜないこと。これではお米同士の摩擦が起きず、きちんと研げません。研いだあとは水を足して濁った水を捨てます。
この作業を2~3回繰り返して完了です。このとき、水は完全に透明になっていなくてOK。そこまでしてしまうとせっかくの栄養やうまみまでも逃がしてしまいます。
※収穫して1年以上経った古米は、米の表面から味や風味の劣化が起こっているので、ギュッギュッとしっかり目に研ぎましょう。
炊き上がったらまずすることとは?
炊き上がったら、炊飯器の「フタ」に注意を!
(3) お米を水に浸す(浸漬)
お米を水に浸して芯まで水を浸透させます。この作業は「浸漬(しんせき)」と呼ばれます。浸漬をすることで、炊き増しし、ふっくらとしたご飯に。目安としては春~夏にかけては30分程度、秋~冬は1時間程度です。
浸漬したお米は透明から白に色が変化するので、目安にしましょう。長過ぎてもデンプン質が流れ出てベタつきの原因となってしまうので、すぐに炊かない場合はザルに上げて、冷蔵庫で保管をすればOKです。
※炊飯器で炊く場合はこの作業は必要ありません。浸水の工程は最初から含まれている場合がほとんどだからです。
(4) 炊飯スイッチを押す
炊飯は炊飯器に全てお任せ!
(5) 蒸らす
10分程度蒸らして、蒸気を吸わせます。そうすることでよりふっくらとしたご飯になります。ただし、蒸らしまで完了してから完了のブザー音が鳴る炊飯器も多いので、その場合はすぐにフタを開けても問題ありません。
(6) シャリ切りをする
炊飯器を開けたら、まずは余計な水分がお米に落ちないようにフタに付いた水滴を拭き取ります。そしてご飯を底から返して、しゃもじで切るようにほぐします。そうすることで余分な水分が飛んでツヤ&ハリのあるおいしいご飯になります。
※ ※ ※
研ぎ方・炊き方を少し気を付けるだけでも、ご飯は格段においしくなります。基本的な手順を紹介したので、あらためて意識しながら炊飯してみてください。
(渡邊倫子)
配信: LASISA
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