冬のお風呂事情で一変!通所が楽しみに
デイサービスに乗り気でなかった母の気持ちに変化が現れたのは、ケアマネジャーさんの予想通り、冬になってからのことでした。年明けのある日、母に電話をすると「今日はデイサービスでお風呂に入ってきて気持ちよかった」と言うのです。「寒い家のお風呂に入っても温まらないからありがたい」と感謝までして「お昼ごはんもいただいてきた」とご満悦です。
たしかに実家の老朽化した浴室は冬になると桶の水が氷るくらい冷え込み、お風呂を沸かした湯気ぐらいでは十分に温まりません。お湯もすぐに冷めるし、ヒートショック(急激な温度変化に伴う血圧変動)も心配です。そんな寒冷地ならではの冬のお風呂事情が、後押ししてくれたのでしょう。デイサービスへ行くことが増え、以前より長時間滞在するようになることで、顔見知りができたのも、母が楽しみに通う動機になったようです。
のんびりできない性分の母は、ほかの高齢者のようにお昼寝の習慣がないからと午後には家に帰してもらっているそうですが、最近は帰るまでの間、施設のスタッフが昼食の食器を洗う横で、お皿拭きをしているのだとか。「お手伝いしてくれるの? 助かるわぁ!」と褒めてもらったと、電話をかけるたびに母は得意気に話すのでした。
まとめ
半年前は断固拒否していたのがウソのように、母は今お迎えが来ると喜んでデイサービスに出かけていくようになりました。母の場合、きっかけは冬のお風呂事情でしたが、行った先で知り合いが増え、自分の居場所ができたことが一番の理由だと思います。
母の認知症がわかってから、私たち兄妹は母を施設に入れることばかり考えていましたが、ある程度自立した生活が可能なら、こうして福祉サービスの力を借りながら、母のように自由な生活を続けさせてあげたほうが幸せかもしれない、と思うようになりました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
文/あらた繭子
イラスト/サトウユカ
著者/シニアカレンダー編集部
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配信: 介護カレンダー
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