【新茶】何が特別? 日本茶の栄養ポイント・茶種・おいしい淹れ方のポイントを栄養士ライターが解説

【新茶】何が特別? 日本茶の栄養ポイント・茶種・おいしい淹れ方のポイントを栄養士ライターが解説

いろいろな日本茶の種類と特徴

日本茶には煎茶のほかに、玉露、番茶、ほうじ茶、玄米茶、抹茶などの茶種があります。それぞれのお茶の特徴をまとめたので、ご参考に。

●煎茶
緑茶の代表的なもので生産量が最も多く、茶葉を摘み取るタイミングで、新茶(一番茶)、二番茶、三番茶などと呼ばれています。また、製造の蒸し時間でも「普通煎茶」「深蒸し煎茶」「特蒸し煎茶」などの呼び名も。茶葉の収穫時期と蒸し時間でテアニン、カテキン、カフェインのバランスが変わります。

●玉露(ぎょくろ)
茶葉が日光にさらされないよう遮光し、日陰で育てた柔らかい葉から作られるのが特徴。日本茶の中で最上級のお茶とされています。テアニンとカフェインが多く、深いうまみと甘み、苦みが調和した、まろやかな味わい。

●番茶(ばんちゃ)
「晩茶」とも呼ばれ、硬くなった葉や茎を加工したお茶。一番茶や二番茶の間に遅れて出た葉や冬前や春先に刈り取った葉や茎も使われています。テアニン、カテキン類、カフェインのいずれも煎茶より少なく、さっぱり淡白な味わい。

●ほうじ茶
下級煎茶または番茶を焙煎したもの。番茶よりさらに成分は少なくなりますが、代わりに特有の香ばしい焙煎香を楽しめます。

●玄米茶(げんまいちゃ)
炒った玄米と茶葉の混合茶。焙煎した米と茶の香りと味が調和し、温和で軽い味わいが楽しめます。茶葉が少ない分、カフェインや渋みが少なめ。

●抹茶(まっちゃ)
玉露と同じように茶樹に覆いをして育てた碾茶(てんちゃ)を、石臼で挽いて微粉にしたお茶。ほかのお茶と異なり、製造工程で揉まずに作られています。テアニン、カテキンともに多く、濃厚な味わいで苦み、渋みが強め。

日本茶のおいしい淹れ方ポイント

 緑茶は、ぬるめのお湯×少し時間をかけて淹れるのが、おいしさを引き出すポイント。煎茶なら70~90℃のお湯を注いで1~2分、玉露は50~60℃のお湯で2~2分半の浸出時間が目安です。テアニンの甘み・うまみを感じやすいお茶に仕上がります。逆に、高温で淹れるとカテキンの渋みとカフェイン類の苦みを強く感じるお茶になり、2煎目以降もカフェインとカテキン類が多く溶け出し、渋みと苦みが増します。

 番茶やほうじ茶は、甘み・うまみがもともと少ないので、熱湯でサッと淹れる方が、さっぱりとした味わいと香りを楽しめます。100℃の熱湯を注ぎ、30秒程度が浸出時間の目安です。

 これからの暑い季節は「水出し緑茶」もおすすめ。水出しするとカフェインと渋みが強いカテキンの抽出が抑えられ、テアニンのうまみが引き立つ優しい口当たりのお茶の味になります。試してみてください。

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性-』東京化学同人,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019

(野村ゆき)

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