「楽」に対する捉え方の違い
このワクワク派とホッとしたい派を、もう少し掘り下げてみました。うつに対する理解が浸透していない時代は、うつで休職している人に対して「怠けている」という心ない発言をするケースがありました。これは「楽」に対する捉え方の違いです。
のんびりと落ち着いた状態、安心を「楽しい」と捉えるホッとしたい派。その一方、ワクワク派にとっての「楽しい」は、快感や変化を伴う必要があります。 従って、ホッとしたい派の「楽しい状態」を、ワクワク派は、つい手を抜いていると捉えてしまいがちです。
また、速度で考えた場合、ワクワク派はスピードがあります。チャレンジャーといった感じでしょうか。対するホッとしたい派は、のんびりマイペースです。同じであることを重視するからです。このスピードの違いも、ワクワク派からは怠けているように見えてしまうのでしょう。
ストレスのイメージ
ストレスの受け取り方
ワクワク派とホッとしたい派、それぞれが抱えるストレスにも違いがあります。
ワクワク派の場合、ベースにあるのは「快と不快」と「変化」でしたね。変化の無い状態、ワクワクできない状態は不快となり、ストレスを生みます。また、チャレンジをして何も変化が得られない場合などもストレス要因となります。
ホッとしたい派の場合、ベースにあるのは「安心と不安」と「不変」です。そのため、同じではない状態、ホッとできない状態が不安となり、ストレスを生みます。
両者のストレスを比べると次のようになります。
・ワクワク派のストレス:不快な状態、変化のない状態
・ホッとしたい派のストレス:不安な状態、変化する状態
ホッとしたい派の場合、「同じ状態」でいることを希望したとしても、それがかなわないケースや、変化を受け入れなければならない(受け身)ケースがどうしても出てきます。変化に関して、本人が望まなくても、変わることを求められる場合も多いのです。 例えば、進学や進級、卒業、就職、加齢などです。これらはホッとしたい派にとって、受け身的にもたらされるストレスとなります。
もちろん「すべてのストレスが悪い」わけではありません。言い換えるのならば、良いストレスもあるということです。例えば、主体的に関わったことで受けるストレスは、乗り越えることで結果的に自信に繋げることができます。 これに対して、受け身的にもたらされたストレスは、乗り越えにくく、結果的に心身の不調を招きやすい、と考えることができます。
配信: LASISA