私と家族の関係は、娘の出産や成長と共に大きく変化してきました。一時は家庭崩壊に近い状態となっていた関係に変化が起きたのが、「娘の独立」です。離婚も覚悟するほどに悪化していた妻や娘との関係が元に戻るまでのエピソードを紹介します。
娘の成長に伴って起きた家庭崩壊の危機
私と妻は知人の紹介を通じて知り合い、スポーツ好きという共通の話題で距離が縮まり、知り合って数カ月で交際を始めて数年後に結婚をしました。結婚後も交際していたときと変わらず仲が良かったのですが、娘の出産をきっかけに少しずつ愛情が覚めていきました。
妻は娘を溺愛し、何をするにも子どもが最優先で夫の私のことなど後回し。娘も小さいころは私のことを大好きと言ってくれていましたが、女の子は母親のほうになつくこともあり成長と共に相手にしてくれなくなりました。妻が私に対して冷たい態度を取っていることを近くで見ていた影響もあってか、思春期を迎えたころにはあれだけ慕っていた娘からもうっとうしく思われるようになっていきました。
娘が高校生になったころには、「洗濯物は一緒に洗うな」「外で会っても声を掛けるな」と反抗期の娘によくある露骨な拒否反応も始まりました。本来なら注意すべきところなのですが、家の中では完全に2対1の状況ができ上がっているので、私の意見に誰も耳を傾けてくれません。家では誰も口を利いてくれず居場所もない、自分は何のために働いているのだろうとむなしくなりました。
娘の独立で変わった妻からの接し方
家庭内で空気のような扱いをされる日々で自分の存在意義が見出せないまま、むなしい人生を歩んでいた私にある転機が訪れます。そのきっかけとは、娘が高校卒業を機に1人暮らしを始めたことです。
溺愛していた娘がいなくなったことで寂しさを感じたのか、妻のほうから話しかけてくるようになりました。急な態度の変化に最初は戸惑いましたが、育児に追われて気持ちに余裕が持てず、つらく当たっていたことを「申し訳なく思っていた」と謝罪されました。
配信: 介護カレンダー